月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

答案中での必要条件、十分条件に注意

先日、生徒の答案を見ていてきになる記述がありました。

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ベクトルが直角であるという条件から、内積=0を導いていて、「⇒」の記号の使い方も論理的には正しいのですが、なるべく使わないほうがよいという話をしました。

 

⇒(ならば)

というのは

P⇒Q

で、QがPの必要条件であることを示します。必要条件というのは図にすると

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このようになり、もともとのPの条件より広くなってしまいます。つまり、Qの条件でえられた答えがPのときにも成り立つかはわからないということです。そのため、答えを求めたあとでQがもとの条件Pを満たすかの確認をしなければいけません。十分性を確かめる、などといいます。よく軌跡の問題とか、x=aで極値をとる問題のときに「逆にこのとき、・・・」と書いてある模範解答を読んだことがあると思いますが、それです。

なので

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という記述をしたら、得られた答えが与えられた条件を満たすかの十分性を確かめないといけない雰囲気が出てしまいます。

本当は必要十分条件(⇔)で議論を進めるのがbetterなのですが、「⇔」の記号も乱発すると使い方を間違える可能性があるのでなるべくつかわずに、

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このくらいで済ませておくのが無難です。必要十分条件の記号を使うなら、

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こんな感じです。 


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