昨日は、
評価1,2,3,4,5の次に"とんで10"があってもいいのではないか
と書きましたが、保護者のかたがお子さんの学業成績について関与するときにこの点について考えてみてはどうでしょうか、と思うことがあります。
中高生は勉強の理解度をテストで数値化されて比較される身分です。
学年1位とか、模試上位5%程度を除けば、全てなんらかの問題を抱えている状態だと指摘することが容易です。
保護者のかたもお子さんの勉強について思い浮かべてみてもらうと、出来ている部分より出来ていない部分のほうに目がいってしまうという人も多いのではないでしょうか。
とくに私のblogをみつけるくらい教育に関心がある人のなかには、「ゲッ」と思い当たる節がある人もいると思います。未成年というのは不完全である生き物であるという印象があるのでなおさらです。
でも実際には未成年が20才になる日の24時に精神的に成熟する脱皮を遂げるわけではないですから、保護者のかたと未成年の学生の境目もまた明確なものではなくむしろ大差ない場合もあると思います。
「お母さんは自分のことは棚にあげて言ってるなあ」
と冷静に見ている中高生も世の中にはたくさんいることでしょう。
たとえ保護者のかたにとって不完全な場所があったとしても、本人がなんらかのきっかけでそれに気づいて、さらにそれをどうにか改善したいと思わない限りは人間は変化しません。
私はこれまで塾で「親に言われているから頑張っている」という状態の生徒を一人もみたことがありません。
入塾時にそこまで勉強習慣がなかった生徒が徐々に勉強ハードワーカーになっていくのは、親の一言ではなくて自分で内省した気づきが原動力になっています。
親がプレッシャーを与えることで多少変化することもあるかもしれませんが、精神的に病むこととの引き換えの関係といってよいと思います。おすすめしません。
どうせ言ってもやらないのだからネガティブなことは言わずにポジティブなこと、すなわち、今お子さんができることとか強みであることを認めるくらいにしてみてはどうでしょうか。
いきなり褒めるとただ嘘くさくなるだけですから、こういういいところがあるんだな、すごいな、くらいに思うだけでいいと思います。