基礎無し理系地学(以下「地学」)を国立二次試験で使う場合の勉強方法を紹介します。
共通テストまでの対策は済んでいるものとします。
まずは二次試験での地学のおおよその難易度を紹介します。
東大、京大
見たことがないようなとても難しい計算問題が出題される。天体の分野が特に難しい。
記述が長い。自分の知識のなかから思考力で答案を作り上げる能力を試しているという感じ。
名大、北大、東北大
計算問題が出題されるが東大や京大ほどではない常識的な問題。
記述は100文字程度のものが多い。地学の基本的知識を知っていればなんとか対応できる。
その他の国立大
計算問題より知識の暗記を問う問題が多く易しい。
おおむねこのような難易度傾向にあります。ここでは名大北大など旧帝大以下の入試に対応する勉強方法を紹介します。
まずは共通テスト対策
地学は他の科目と違って、共通テストと国立二次との難易度のギャップが大きくありません。旧帝大レベルでも共通テスト過去問題(センター試験過去問題)の演習が二次試験の対策になります。
記述対策、計算問題対策
連星の質量の計算、見かけの明るさと絶対等級の計算、シュテファンボルツマンの法則を用いた計算など、共通テストでも出題される内容が二次試験でも出題されます。
数学なら国立二次試験の計算はかなり重いものになることが多いのですが、地学に関してはそこまでゴリゴリ計算が必要な問題は出題されません。その代わり、桁数の多いかけ算や割り算を有効数字2桁(多いときは3桁)で求めないといけないので、そろばん的な計算力が求められます。私はこれが苦手で計算ミスを多発していました。
これらの計算練習としては志望校の過去問題を入手できるだけ入手して取り組むほか、同じ難易度の入試問題を集めて演習するのも有効です。
私は名大志望でしたが共通テスト後の一ヶ月間で名大を約10カ年分のほか、北大6カ年、京大7カ年程度演習しました。
解くときには問題を縮小コピーしノートに貼り付けて、ノートに解答し自分で添削していきます。
京大の問題は、全然解けないものばかりで解答例と解説をひたすら写していました。
「こういうのを初見でも合理的に解ける人が学者になるんだろうなorz」と凹みながら演習してました。
記述による説明は支持された文字数でどこまでの情報を盛り込むか練習が必要ですが、参考書に書いてあるとおりにまとめる以上の記述問題はないので、記述といえども暗記問題といって良いです。
プレート運動、雨の形成、地球型惑星と木星型惑星、太陽の構造、恒星の一生、結晶分化作用
など主要なテーマは一連の流れを人に教えられる程度に暗記しましょう。
私は地学を学ぶことが好きでその延長線上に「名大に入学して勉強してみる」という選択肢があったので、入試演習のほか興味があるものは本を買って読みあさっていました。
増補改訂版 地層の見方がわかるフィールド図鑑:岩石・地層・地形から地球の成り立ちや活動を知る
絵でわかるプレートテクトニクス 地球進化の謎に挑む (KS絵でわかるシリーズ)
地学好きな人にとっては大学受験地学はかなり短期で高い水準に仕上げられるので、たとえ独学でもやる価値は十分あると思います。