月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

時計の時間と心の時間

今日ランチを外食中に隣の席の会話が聞こえてきて

・子供の国語のテキストで「時計の時間と心の時間」というテーマのものがあった。

・だいたいの主旨は「心の時間が大切だ」ということだった。

・テストで「作者の言いたいことは何か」という問いにたいして「時計の時間が大切だ」と子供は答えていた。

・普段、時計の時間を意識せずに生活して時間に間に合わないことなどがあるという子供の日常生活を考えると、そう読み取る気持ちもわかる。

・だから一概に、「時計の時間が大切だ」が間違えとは言えないと思うが、先生はそこまで背景を読み取れない。

という会話でした。

それなりに入試の現代文を解ける私から客観的に申し上げると、仮にそのテキストに「時計の時間が大切だ」と書かれていた場合、著者の主張が何かと聞かれたら「時計の時間が大切だ」と答えるのが正解です。残念ながら・・・。

一度、こちらの参考書を読んでみてください。

 

 

お母様の気持ちも分かります。お子さんの答案は、現代文の答案としては誤答と言わざるを得ませんが、読書感想文としては面白いものになると思います。その際は、「心の時間が大切とあるが、普段私は心の時間を優先してしまって困ることがある。それは時計の時間を全く意識していなかったからだ。時計の時間を意識したほうが、自分が困らずに過ごせると思う」みたいな感じで、自分の経験を説明しつつ書くと良いと思います。

さらに客観的に観察すれば小論文の答案になります。その際は、「心の時間が大切とあるが、社会を構成する個人が心の時間を優先していては、電車は時間通りに来なくなるし13時開始の会議がいつまでたっても始まらなくなるなど、社会活動に多大な影響が出る。高度に分業した現代社会においては時計の時間を最優先にせざるを得ない」のような書き方が考えられると思います。

ちなみに理学部で絶賛勉強中の私的には「時計の時間は物体の運動の速さによって変化する」といういわゆる相対性理論を考えたくなりますが、相対性理論は難しすぎてまだ全然わかりませんorz

 

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