総理大臣が替わって、「経済成長」がどうとか「分配」がどうとか言っていますが、大学の分配ほど高所得者ひいきなものもなかなかないでしょう。
大学の運営交付金は東京大学を100とすると名大でさえ40を下回り、三重大や岐阜大で14です。
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20201117-mxt_hojinka-000011109_3.pdf
教員数も東大を100としたときに名大は約50、三重大岐阜大が15程度です。
教員数については絶対数だけでなく教員数/学生数の比も重要な指標になりますが、この比も基本的には入試難易度の高い大学ほど良い値になります。
https://sakoi.info/2021/07/09/per_teacher/
大学の運営予算の財源は地方税らしいので、県民税として私たちが納めている税金は、入試難易度の高い大学に傾斜されて使われていることになります。
そのような大学に入学して手厚い教育の恩恵を預かるのは、幼少期から塾などにお金を使って手厚い教育を与えられる家庭に育った子である割合が高いことを考えると、庶民から平等に集めたお金を金持ちの子どもに分配しているということになります。
こんなことを言うと、「管理教育高校から塾なしで京都大学に受かった例もあるぞ!」とかいうことを言う人がいそうですが、毎年何十万人も受験者がいたらそうやってお金をかけずに超難関大学に入るような素質の極めて高い学生は一定数いるに決まっています。私が言いたいのは、同じ素質のレベルの高校生を100人集めて、50人は塾や予備校で手厚く指導して50人を高校の指導で勉強させたら、前者のほうがより高いレベルの大学に受かるでしょうっていうことです。
でも国としてこのようにしっかり傾斜をかけているというのは、とても良いことだと思います。東大の学生にしっかりお金をつかって教育したらいくらでも成長していきそうですが、誰でも入れるような大学の学生にお金を使ってもほとんど効果がないでしょう。
私の塾だって、高校入学までにそれなりに教育にお金と時間をつかってきたご家庭のお子さんを預かっているから、たった2-3年の指導で学力を上げていけるわけだし。