数学の解き方を説明して生徒に
「分かった?」
と聞くと、多くの場合
「分かった」
と帰ってきます。本当に分かっている場合もあれば、あんまり分かっていないけどとりあえず分かったと返事をしたという場合もあります。
本当に分かっている場合でも、
「じゃあ同じように解いてみて」
といって全く同じ問題をやらせてみると一行目から手が動かないなんてことはいくらでもあります。
分かったには2つのフェーズがあってあって
「説明を聞いて分かった気がした」
と
「本当に分かったので問題も解ける」
です。
この二つの分かったの間には、普通、同じ問題を何度も解いて頭にたたき込む、という過程が入ります。数学が得意で模試でも校内上位に行ける人は後者の分かった状態に達しています。
一方で数学があんまり得意ではない人は分かった気がしただけで自分ではそれほど問題演習をしないので第二フェーズの分かったまでたどり着けません。
なので私が普段から「チャート5回解け」などと発信することになります。
私は「数学は暗記」派の考えをしていますが、解き方を覚えてはじめて問題を理解できるからです。理解できたら問題を解けるわけではありません。理解できて分かった気になっても実際には問題なんて解けないのです。覚えるから問題が解けて、問題が解けるとやっと分かります。