知多半島の先端にある師崎の露頭を観察しにいきました。
砂岩、泥岩、凝灰岩の地層がはっきり観察できる、いわゆる「地層」です。
知多半島は大部分が新生代新第三期の深海でできた堆積岩からなります。だいたい1700万年前くらいらしいです。
堆積岩というのは主に海底に積もった砂や泥が固まってできるので、深海の生物がなんらかのきっかけで砂や泥に埋められると、化石として残る可能性があります。
師崎周辺も化石の産出する堆積岩露頭が多数あります。今回はその中でもアクセスの良い場所に行きました。
ここは露頭が横幅数百メートル、縦に十メートル近くありかなり迫力があります。
この露頭ですがよく見ると何本か筋が入っています。
少なくとも6本は観察できます。
もう一度見てみて下さい。分かりますか?
これらの筋は、断層と呼ばれます。これらの地層に強い圧力が加わって出来たものです。
断層は正断層、逆断層、横ずれ断層の3種類があります。
正断層は ← → と引っ張られる力
逆断層は → ← と圧縮する力
横ずれ断層は、この断層を上から眺めたときに↓↑とズレようとする力
のように説明されます。この写真の断層は私の予想では正断層。
矢印の部分の地層が微妙に右側(下盤)のほうが高い位置にあります。
ただ、その他の地層はほとんどズレが見られないので、実は横ずれなのでは?とも思います。
実際に一部を拡大してみると、横にずれたように下盤の一部が露出しています。
横ずれ断層の場合、ズレた面に擦り傷(スリッケンライン)が見られます。
この写真を見ると、スリッケンラインはあるようなないような・・・。
判別がつきません。
断層の種類については結論がでなかったということにして先に進むと、こちらは地層が傾斜しています。
南海トラフに沈み込むフィリピン海プレートによって、岩盤に力がかかったのでしょうか。
そんな地球のプレート運動など知らん!という感じでイソギンチャクがたくさん生活していました。
小さいバッタもいました。
私は落ちている泥岩をひたすら割っていました。
そこそこ大きいものでも結構簡単に割れます。岩石を割るときにはメガネが必須です。
たいしたものは出てきませんでした。
唯一でてきたのはこれ。たぶん、木片です。
木片は化石になるとこういう黒い色になります。
この木片は、きっと1700万年前に台風か何かで枝がぽきっと折れて、何かの拍子で川の流れにのって、海にたどり着いて最初は浅瀬にいたところ、また台風か地震か何かで海底土石流に巻き込まれていつのまにか深海の深い泥に埋められて、地層に閉じ込められたあと隆起して海水面より上に行って、風化を受けて地層からぼろっと落ちて、何ヶ月かしたところハンマーで叩かれてちょうどこの面で割れて、今私の机の上にたたずむという壮大な旅をしたのでしょう。