地学に限らず、理学部で扱う
・数学
・物理
・生物
・化学
などの分野において、何か新しい発見をすると意味があるんでしょうか?
例えば工学や医学において、新しい発見があると意味があるような気がします。電車のスピードは速くなりそうだし、今まで治らなかった難病は治りそうです。
では、数学の新しい発見は?新種の化石が見つかったら?
工学や医学と比べると、そういう発見はあってもなくても良さそうな気がします。
でもそんなことは愚問です。どんな学問でも、新しい発見なんてあるほど良いんです。
例えば電車のスピードが速くなったり、今まで治らなかった難病が治ったら、誰にどういうメリットがあるでしょうか?
東京-大阪間の時間が短くなれば電車に乗る時間が少なくなって楽で嬉しいし、難病が治ったらその人や家族の人たちは嬉しいです。
では、数学で新しい発見があったらどうでしょうか。発見した人は嬉しいし、その発見によって自分の研究が進む人にとっても嬉しいです。
新種の化石もそうです。発見した人は嬉しいし、その発見によって今まで未解決だった歴史上の謎が解けて誰かが喜ぶかもしれません。
そういう発見はいつか大きな発見につながって、そのうち博物館に展示されるでしょう。
博物館の展示を見たら、普通の市民もそれをみて「へえ面白い」と思って嬉しくなります。
役に立つとか立たないとか、ナンセンスです。
どんなことでもそれによって喜ぶ人はどこかにいます。
「自分にとって何のメリットもないよ」と思う人もいるかもしれませんが、自分にとって何らかのメリットを得たければ自分の教養を磨けばいいだけの話です。
たとえば楽器を演奏したことがある人はコンサートにいけば「なんて上手な演奏だろう」と感動できますが、楽器を弾いたことがない人はどれだけ上手いプロの演奏を聴いても何が良いのかさっぱり理解できないはずです。
この世の中で「すごい」と感動できるものというのは、それを発信する側の問題ではなくて、受け取る側の問題です。
昨日の断層の写真だって私にとっては教科書通りの断層の割れ方が写っていてとても興奮しますが、地層について何もしらない人からしたらただの割れ目です。
ただの割れ目が面白いか面白くないかは、割れ目が面白いのではなくてそれを見る側がどう受け取るかによって変わります。