月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

英語学習の誤解2 幼少期編

英語学習は家庭によってはかなり幼少期からスタートしていることがありますが、その効果がどの程度あるのか私はかなり懐疑的です。外国語を体験するという一瞬には価値があるのかもしれませんが、中高生に英語を教える現場で毎日過ごしているとプラスの価値があるとはどうしても思えません。

そのため私は娘の教育において英語教育に1円たりとも使わないという、かなり強固な方針を打ち立てています。

統計をとったわけじゃないので感覚的な話になるのをご了承いただきたいんですが、中学に上がる前に英語教育をすると逆に中学入学以降の文法中心の英語学習で足を引っ張る傾向にあるように見えます。

たぶん幼少期に英語を中途半端に身につけてしまうと、読み方の悪い癖がついてしまうのだと思います。たとえば、

He can cut vegetables quickly.

という簡単な英文を小学生が理解しようと思ったら、

He / can / cut / vegetables / quickly

彼/できる/切る/野菜/はやく

という単語の切り方をして、意味が通るように並び替えて

「彼は野菜を早く切ることができる」

と処理するはずです。この読み方だと、

「彼が切ることができるのは早い野菜だ」

という間違えた読み方が、なぜ間違いなのかを身につけることが永遠にできません。

一方で、英語に多く触れていればそのうち正しく読めるようになるはずだ、という間違った思い込みに至る可能性が高そうです。

結局、「単語のぶつ切りーなんとなく統合」読みを継続して、中学になっていきなり主語だの動詞だの、名詞だの形容詞だのめんどくさそうな文法を習って、「そんなめんどくさい理解をしなくてもたくさん読めばできるようになる」という思い込みから文法を真正面から勉強することなく、中1はちょっとした貯金で乗り切って、中3くらいで自分は英語が苦手だということに気づく、というストーリーをたどっている人は全国にたくさんいそうです。

正直、幼少期の英語教育は「早期から英語に触れさせておけば受験のときに英語が得意になっているはず」という母親の思いを受け止めるだけの宗教みたいなものだと思ってます。

英語教育のために海外で暮らすくらいの環境を用意するとなると話は別ですが・・・。

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