月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

選挙は誰のものか

最近政治が面白くて政治関連のblogが続いてます。私が将来何らかの選挙に立候補したいと思っているのも理由です。

興味無い人、ごめんなさい。

週末のニュースといえば兵庫県知事選です。

もともとはパワハラなどの問題があるとかないとかいう話でした。知事からすれば「嘘八百」という話でしたが、県庁職員アンケートでは実際にパワハラを受けた証言があり、20m歩かされ激怒事件やポスターに知事の写真がないと怒られる事件、深夜のチャットに即レス求める事件など、実際の証拠音源などはないものの証言は多数あり、実際に百条委員会でも知事はそのようなことは一部あったと認めていました。

たしかそれが1〜2ヶ月くらい小出しに報道されて、世論は「この知事はいつやめるのか?兵庫県の恥!さっさとやめろや」というものだったと思います。

あの空気感のまま知事選があればおそらくボコボコに負けていたであろう前知事ですが、なんと週末の選挙ではかなり差を付けて当選されていました。

この一ヶ月で世論は「実際には黒幕があり知事は排除されようとしていた」という雰囲気になり、なかには「パワハラなんてなかった」「あの優しそうな知事がパワハラなんてすると思えない」思っている人もいそうな勢いです。

色々調べてみても(といってもメディアの二次情報ばかりで一次情報は調べられませんが)、正直本当のところはよくわかりません。「既得権益」がどうこういう人もいるようですが、あまり話が大きいと確かめようがないというのは実際のところです。

これはコロナや原子力発電といった目に見えないものへの人々の反応に似ています。

確かめようもないから、とりあえず声が大きい人のいうことを信じがちということです。

当の県職員はというと当選あけに「これが民意と受け止めるしかない…」と答えていた人がいました。トップとして慕われていない、あるいは階層間に強い分断があるのは事実のように見えます。

それで私の持論で恐縮ですが、今回の選挙の勝者は前知事ではなく圧倒的にNHK党の立花さんだったと思います。

あの人がわざわざ300万円の供託金を払って知事選にでて、自分にとって1円も金銭的メリットがない前知事のPRを一生懸命されていたのは、県知事選レベルでのSNSの効果を実験したかったからでは?

今年は都知事選で石丸さんがSNSを大活用していましたが、マスメディアをひっくり返すには至りませんでした。

堀江さんが「都知事選はさすがにマスメディアが強いが、町田市長選くらいだったらSNSだけで勝てる」といろんなyoutube番組で発言してましたが、県知事選レベルの規模であってもSNSの力があるかどうか試してみたかったのではと見ています。

今回の選挙は、既存マスメディアよりもSNSが選挙結果に寄与した可能性があるという点で若い人にとってはプラスに捉えられる結果であると思います。

一方で、このことを純粋にプラスに捉えきれない要素もあります。

客観的に見れば「パワハラがあったことは確か、対抗馬は対抗馬でヤバそう、かといって前知事が積極的にめちゃくちゃいいわけでもない」という状況なのに、一周回って「僕らはマスメディアにだまされてました、さいとうさんごめんなさい」くらいの勢いになっている人がそれなりの数いそうなことです。

今まで「選挙はメディアの報じかた次第」だったものが「選挙は立花氏の立場次第」になっただけではないか、と見ることができます。テレビを信じる人は、SNSの情報も簡単に信じるのだから、そうなるに決まっているといえばそうなんですが・・・。

民主主義の限界を感じます。有権者は何らかのメディア経由での情報でしか判断ができない場合がほとんどです。本当の意味で有権者が候補者を選ぶことはほぼ不可能であり、多かれ少なかれ、メディアによって候補者を選ばされるという側面が残ります。

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