月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

英語の問題集不要論

塾で長いこと英語を教えていますが、いわゆる長文問題の演習を扱うことはほとんどありません。

先週末、たまたま高3を対象にセンター試験(≠共通テスト)の過去問を解かせてみましたが、これが最初で最後の演習になるかも?というくらい。

それも問題をどう解くかはほとんど触れず。そのかわり、解いた問題をどうやって復習するかを強調して教えました。

英語の問題は共通テストを含めて多くの場合、与えられた英文の意味をただしく理解できるかが得点に寄与します。どういうことか。正答を選ぶまでのステップは、

1. 英文を読む

2. 問題文を読む

3. 選択肢を選ぶ

という3つに分解できます。長文問題演習をする人はステップ3「選択肢を選ぶ」に改善余地があると考えている(あるいは何も考えていない)のでしょうけど、私に言わせてもらえば、受験生のほぼ全員はステップ1の「英文を読む」に難があります。

英文を読めない人がどれだけ選択肢の選び方を勉強したところで、新しい英文を与えられたときにそもそも意味を取り間違えているのですから、正答率が上がるはずがありません。

極端な例ですが、

He walks fast.

という文を「彼は歩くのが速い」と解釈する人は、問題を解く練習をするまえに、英文中の主語と述語動詞を正確に見分ける練習をするべきです。

困ったことに多くの英語の先生は「単語やって文法やって長文演習」みたいな思考停止した英語学習観を持っています。先日の選挙と同じで、「多くの人が信じていることを信じるのは簡単」という性質を人間は持っていますので、学校の先生がクラスで40人を相手に「単語覚えて英文法の問題集をおえたら、次は長文演習だ!」と言い出すと、自分が英語を読めていないことに気づく機会を逸します。

だからこそ塾が繁盛するという側面もあるんですが、たぶん英語の先生って生徒の和訳答案を添削する機会がすくないのか、普通の高校生がどれだけめちゃくちゃな読み方をしているのか分かってないんでしょう。

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