月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

野良選択

ちょっと古い話ですが、河合塾の先生が賃上げでストをした話し。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20250514-OYT1T50133/

 

塾業界ではいろんな意見があるようで

・ストするのはまっとうな権利

・授業をストして生徒に迷惑かけるのはダメ

・文句あるなら辞めれば

などなど・・・。

 

ストや賃金交渉は労働者の権利かもしれませんが、実際には給料についての話し合いは大企業ではかなり難しいでしょう。

中小企業でオーナー社長と「今期1億売るので5%インセンティブ下さい!」と話ができるようなケースではうまくいくと思うのですが。

雇用される側とする側では、給料に対する見方が全く違います。

雇用される側は「会社なんて儲かってるだろうから給料上げろよ」とか、この河合塾の件のように「物価高だから給料あげろよ」となりやすいですが、給料を払う側からすれば、社会保険料重すぎて給料なんてそう簡単に上げられないし、とりわけ塾業界は少子化や年内推薦入試の流行など売上面でマイナスの要因がいくつもあります。河合塾のような大企業ともなると、駅前一等地のビル維持費なども相当キツいでしょう。

私も会社員時代には会社が高い給料を払うのが当たり前だと思ってましたが、雇う立場になるとそんなに簡単に高い給料を払ってたら赤字で潰れると思うようになりました。

うちの大学生スタッフや大学の同級生の話を聞いていると、お金がわいてでてくるものだとでも思ってるのかと見える瞬間もたまにあります。

当塾でさえ、家賃や光熱費、プリント作成ソフト、細々した事務用品、教科書改訂にともなう教材の買い直しや再作成(事務スタッフの人件費がかかる)、税理士への顧問料の支払い、そもそも塾をスタートしたときに費やしている数百万円単位の初期費用など授業をするスタッフの人件費以外にも目に見えない経費が結構かかってます。

河合塾ストの先生はコマ単科17,000円だそうで、1コマ90分とすると時給でおよそ11,000円です。年収は500〜600万らしいので、経営者と違ってそこから経費が引かれることなく毎年必ずプラス500万円ならそれなりに良い待遇と感じます。

「“予備校講師は高給取り”は幻想」河合塾で授業スト決行へ…業界では異例、賃上げなど要求 | 弁護士JPニュース

正直、ストなんてやった瞬間に危険因子扱いされて境遇が悪くなることはあっても良くなることはないようなイメージがあります。権利としての正しさと組織内での正しさは別物です。

もし自分が同じ立場だったら、自分以外に代替の先生がいないと判断できれば「この条件をのんでもらえないなら辞める」といって強気に交渉にでますが、残念ながら塾講師なんて(私含め)どの塾でもたいてい替えなんていくらでもきくので失敗に終わりそう。

けっこう会社組織って上の役職で話の通じないアホが居たりするし、この河合塾の例のように同じ職能でも入社が早いほうが高給というのもあるあるですが、それが組織の理屈というのも事実。納得できなかったら、転職するか自分で勝負するしかないでしょう。

私なんかは自己中心的な性格が強いし、理不尽耐性が低いので野良として生きていくことに決めました。

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