月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

onceには接続詞の用法があります

Once we graduate everything changes.

という英文を和訳してもらったら正答率が著しく低かったので紹介します。

onceというのは副詞の用法(かつて、いちど、昔・・・)のほかに接続詞の用法があります。副詞の用法はかなり市民権を得ているようですが接続詞が意外に知られていません。

副詞しかしらない生徒諸君の和訳は

 

 一度私たちはすべてのものが変わることを卒業する

 一度私たちは全てを変化から卒業させる

 いったん私たちは全ての物事の変化を卒業する

 かつて私たちはいろいろなことを変えて卒業した

 

など、多様です。正解は、超難関大学志望のK選手に決めてもらいましょう!

 

 一度私たちが卒業すると、全てが変わります

 

いいですね〜。

ここのonceは接続詞なので、once以下は従属節1個、主節1個の

Once(S+V), S+Vで「いったん(S+V)するとS+Vだ」

という構造になっていまして、

<Once we graduate> everything changes.

で「いったん卒業すると、全てが変わる」というのが正解になります。書き手がもう少し親切だったら、

Once we graduate, everything changes.

という具合に主節と従属節のあいだにコンマが入って気づきやすいのですが、このように従属節と主節のあいだにコンマがないことも往々にしてあります。その時には、普段から「従属接続詞が文頭にくると、少なくとも従属節1個、主節1個の構造になる」と意識しながらwhenやifを眺めているかどうかが、分かれ目になります。

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超ポジティブなら文系がいいんじゃないでしょうか

文理判断というのは高1の春の時点で決めている生徒もいれば、ギリギリまで迷う生徒もいて色々です。最初から理系・文系と決めている生徒にたいしては希望のとおり頑張ってくれれば良いと思っているのでとくに口出しすることはありません。

塾では文理を決めている生徒のほうが多いので、迷っている生徒にアドバイスする機会はそんなに多くないのですが、相談されたときに考えるのは文系に進んで就職したときに活躍できそうかどうかです。

私の場合、経済学部卒で民間企業で働いていたので、文系の就活の様子と文系の仕事の様子がだいたい分かっています。また、営業職として6年間多種多様な会社に出入りしてきたので、文系卒文系就職以外にもどういう大学を出た人がどういう仕事をしていて、活躍しているのかしていないのかが、頭の中に入っています。

文系の就活と仕事というのは、初対面の人とうまく関係を築く能力を求められる場面が多く、それには根っからのポジティブさが必要だと私は思っています。私は対人的には問題ありの要素が多く見えるかもしれませんが、超ポジティブなので意外と文系の仕事を楽しめます。

なので、生徒の様子をみて超ポジティブそうかどうかを見ます。人を見抜く能力が特段高いわけではないので精度に疑問ありと言われてしまったらギクッとなるのですが、そういう見方をしています。

普通、文理判断の進路指導といえばどの科目が得意で苦手なのか(特に数学)が話題の中心で、あとはせいぜい将来何をやりたいかくらいしか検討材料にならないと思いますが、科目だけをみるのはあまりに視野が狭すぎるし、やりたいことなど特にないから進路に迷うのであり、なんなら高校生のうちに思い描くやりたいことなどこれから二転三転する余地が十分アリです。

なので長期的な視点でみて私の意見を表明することにしています。

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正直に伝えます

最近、飲食店についていちゃもんつける記事が連続していますが、私は妻と食事にいくと「美味しい」と「まずい」を明確に意見し、また妻の意見も聞きます。外食というのは何を食べても「美味しいね」と言っておけばその場の雰囲気は保たれるしお互いの気分が良いままでいられるものですが、私はそういう配慮がありません。

昨日、車で外出して帰ると家の前に移動販売のパン屋のバンがとまっていて駐車しつづらいという事案がありまして、しかし一方でパンはあれば食べたいので一度家に荷物を置いてから妻に「パン買いに行くぞ」といってそのバンのところにいきました。で、「すみません駐車しづらかったですよね」と声をかけられたので「はい」と答えました。後で妻に「ああいうときは、停めづらかったとしても『そんなことないですよ』というものだ」と言われましたが、そういう感覚はありませんでした。

塾で生徒と話していても、同じように思ったことは配慮なしで率直に伝えます。学力が低いとか、志望校射程距離、とか、そういうことをです。どちらかといえば「なせばなる」的スタンスでいるので、「ヤバいぞ」というより「いけるぞ頑張れ」ということを伝えるほうが多いです。

困るのは入塾の面談のときで、1時間の面談で体験授業およびその後の指導の方針が明確に見えるのが6〜7割くらいなのですが、あとの3〜4割は面談だけでは指導方針が思い浮かばないのです。営業トーク的にいえば「うちの塾でやれば大丈夫!頑張りましょう!」とでも言っておけばよいのかもしれませんが、思ってないことは言えないので、「う〜ん、わかりませんね」といって2〜3分くらい考えこんでしまうこともあります。(ちなみに私、最近は考えこむとクセで呼吸をとめてしまうので苦しくなります。笑)

結局「何が問題の原因か分かりませんが、手探りでやってみます」という具合の提案をすることになり、私もわからないしおそらく生徒(&保護者)もよく分からないという、もやもやした結論を迎えることになります。

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家系ラーメンのコモディティー化

豚骨で麺が太い家系ラーメンですが、狭義の家系と家系とがありまして、狭義の家系とは横浜の吉村家(よしむらや)というラーメン屋さんとその弟子による暖簾分け的なラーメン屋さん(厚木家、環二家など)を指し、広義の家系とは味や見た目が本家に似ているものの暖簾分けではないレプリカのラーメン屋さんのことを指します。私が大学生のころにはすでにブームが過ぎ去ったくらいだったので、まあまあの歴史があります。
私は家系ラーメンが好きなので、大学生のときにはよく行っていたし、会社員になってからも新宿近辺の広義の家系ラーメン屋さんで昼食をとることがしばしばでした。
ここ数年で愛知県でも広義の家系ラーメン屋さんをよくみかけるようになり、かつては横浜周辺でしか食べられなかったラーメンが神奈川以外でも色々なところで食べられるようになったと思うのですが、今日行った広義の家系はハズレでした。
家系ラーメンというのは、けっこうな豚骨なので一口目はかなり美味しい一方で、二口目以降は満足度が一気に下がるという限界効用逓減の法則を思いっきり体現しているところがあります。食べ切ったらあとの胃の疲労は、焼肉のそれと似たものがあります。最初の一口目のために食べているといっても過言ではありません。
で、今日の家系なんですが一口目から様子がおかしい。そして、食べるほどに正直、マズイ。どうも豚骨ベースなのですが、魚介ダシも含まれているようでスープはこってりなのかあっさりなのなよくわからない状況です。しかしこちらはこってりを想像し期待しているので、そのギャップが不協和音のように口の中で響きます。そして半分食べるか食べないかでついにギブアップ。外食で残すことはほとんどないのですが、今日はダメでした。
この事件の背景を考えると、家系ラーメンのコモディティー化があると思うのです。登場したばかりのときはその商品の価値が際立っており、かつ競合がすくないことから絶対的な優位性を保っていられるものですが、やがて模倣品が増えるとその価値が薄まり、「普通」になることをコモディティー化といいます。
吉村家はたとえ家系ラーメンがコモディティー化しても、模倣しきれない美味しさがあるのですが広義の家系ラーメンは当然そのレベルまでもっていくことができません。かといって、中途半端な味では競争の激しいラーメン業界では生き残っていけないので、論点をずらすことで顧客に別の価値を訴求することになります。
で、今日はいったお店はどうしていたかというと、家系なのに魚介系の風味というのが一つと、もう一つはごはん食べ放題でした。大学が近くにあるので、大学生にはかなりの訴求力になるはずです。
コモディティー化することは消費者にとってはありがたいことでしかありません。価格が下がるし、選択肢が増えるからです。ただ、今回のお店はいかにも家系どストレートな風貌のラーメンだったので、ギャップを埋めることができませんでした。
で、教訓です。何か流行りのものを真似するとか、誰でもできることを売り物にするのは、避けたい。日々改善して、誰にも模倣できないようなサービスを作り進化し続けていきたい、そう感じました。

内職の公認を獲得した生徒

私は基本的に学校での内職を推奨していまして、たまに生徒に内職ライフがどんな様子か聞くことがあります。それで最近「数学の授業で内職を公認でやっています」という生徒がいました。なんと、数学の授業中に数学の内職をすることを認めてくれる先生がいるらしいのです。受験に使わない科目の授業での公認は聞いたことがありますが、使う科目での公認は初めて聞きました。

公認の理由を聞くと「その先生も高校時代に内職で勉強していたからといって、認めてくれました」とのこと。その生徒は名古屋市立の高校に通っていて普段から県立高校との校風の差を感じることがありましたが、県立と市立はやっぱり違うのだなとあらためて感じました。 

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