月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

数学にセンスはあるのか?

同じ授業をしていても、生徒によって定着の良い悪いがあるのはたしかです。全員が全員、同じ程度に吸収するわけではありません。

そこで、高校の数学は難しくなるので、「センス」という言葉をつかって「あいつはセンスがあるから」とか、あるいは「素質」とか「もともと」とか、別の言い換えもいくつかありますが、そういう説明というか言い訳をする人もいることでしょう。

では、それらはセンスといっていいものなのかというと、ちょっと違うのではないかと思います。

センスというか、15才までに身につけた数学の計算力や、数学を身につける態度の差というほうが適切です。

当然ながら高校入学時の学力が高い生徒ほど高校の数学においても、吸収スピードは速いでしょう。場合の数で組み合わせをひたすら書き出す力や、ルートを含む四則演算、相似比で面積を求める計算など、高校の数学で必要な基礎が中学の数学にあります。愛知県の高校入試の数学なら8割はとって、高校生になってほしいです。

一方で、同じ高校に進学したとしてもバラツキが発生します。ではその原因は何なのかというと、無数に存在するのかもしれませんが、中学時代に要領よく成績をとってしまったタイプだと高校に入って数学で苦労するかもしれません。

というのも、中学の数学って得意な人からすればとても簡単で、問題集を1回解いただけでテストで90点とれちゃう生徒とかいると思うんです。「数学なんて暗記するものがないのだから、コツさえつかんじゃえば簡単じゃん」とか思い込んでしまうと、危険です。

高校の数学は「公式おぼえてあてはめて終わり」という単純なものではなく、むしろ「公式覚えてあてはめたら終わり」みたいなところがあります。斜に構えた要領の良いやつより、公式の意味が気になってしまう愚直な生徒のほうが、むくわれる科目です。

高校生を教えていて、私の教えたとおりに数学を勉強してくれる生徒もいれば、(不思議なことに?)言う通りにやってくれない生徒もいます。何度か指摘は続けるのですが、なかなか信じてもらえません。そういう生徒はひょっとしたら、中学までに身につけた自分の成功体験のほうを信じてしまっているんじゃないかと、最近は想像していますが・・・。

さらに不思議なことに、数学がもともと得意な生徒もしくは私が教えて学力を爆上げする生徒は、全員言う通りにやってくれます。

というわけで、数学の苦手な人が「センス」と言って逃げているものの正体とは、目に見えないお化けみたいなものなんかではなく、数学を勉強する態度なのであって、数学が苦手な人は自分の勉強態度を見直してみると良いかもしれません。

 

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英語の点数が上下しますか?

先週高3の生徒から「センターの英語の点数が上下するんですが・・・」と言って相談されまして、基本的には語彙のブレと読解のブレが合わさって発生しているものだからテクニックでどうこうは出来ない、過去問取り組んでセンターでよくでる単語をおさえるべし、とアドバイスしていました。

上下するといってもせいぜい20点くらいだろうと思っていたんですが、今日、高3でセンター英語の演習をしてみたところなんと通常時プラス50点。これはたしかに、相談したくなるレベルのブレだ。笑

まあ、ブレが20点だろうと50点だろうとやることは変わらず。焦らずやるべきことをやる、ただそれだけですから、とくにアドバイスが変わることはありません。不安に打ち勝って、勉強方法をコロコロ変えずに継続できるやつが、強いのです。

さてセンター英語は、点数が上下にブレる生徒と安定する生徒と、分かれるきがします。英語を教えている身としては、精読重視で教えることでブレを小さくしてあげたいと思うのですが、どうやらブレる生徒はブレつつ右肩上がりになっていくようです。

グラフでいうとy=x+sinxみたいな感じです。

というわけで、今日はセンター試験前最後の英語の授業でしたが、

158, 168, 175, 138, 152, 129, 135で平均151(リス+筆記)、みんな頑張った!

 

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単語も文法もセットで勉強できる速読英単語(中学版)

Z会の速読英単語は、長文に出てくる単語を覚えるというコンセプトが素晴らしいのですが、そのなかでも中学版がなかなか良いことに気づきました。

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何が良いのかというと、中学生が読解しずらい英文がすごく良い感じで並べられており、しかもそれが一冊の単語帳のなかで何度もくりかえし出てくるということです。

読解しずらい英文の例は・・・

Where can the people who have cars park them?

Harry told Ken about a small insect that has an interesting way of collecting water.

This bird is so small that it can sit on a blade of grass.

などです。

文法の知識が正確にみについていないと読めない、ちょうど良いレベルの英文がちりばめられています。

中学生に、形容詞・名詞・副詞などの品詞やSVO,SVOCなど文型の分類を教えるには本当にちょうど良いレベルです。

難点としては一人で勉強するのには向いていないかもしれないということです。私は塾の授業で速単を生徒に開かせて、ここの品詞はこうで〜構造がこうなっていて〜とか説明できるので、生徒も品詞や文型に慣れ親しむことができるのですが、基本的には長文と和訳があるだけですから中学生が一人で勉強して品詞や構造を見抜くのは難しいと思います。

それでもページ下部に「点差をつけるこの一文」といって、本文中でとくに難解な英文だけは解説がついているので、英語がそこそこ得意な生徒なら面白く勉強できるかもしれません。

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(合否を分けたこの一題(東京出版)みたいですね・・・)

 

 あともう一つ難点があって、中3の後半でならう関係代名詞を知らないと読めない英文が多々ありまして、英語が得意な生徒であっても中3の前半にはかなり難しく感じると思います。

英語がそこそこ得意で、中3の12月以降に使えるという、かなり利用者を絞る単語帳です。

というわけで、英語がそこそこ得意な中学3年生は是非書店で見てみてください。

 

 

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子供が勉強しない問題の原因は? 1

LINE@でこんなご質問がきました。

「〇〇高校1年の親です。息子が勉強をしません。宿題をやらないでいいのか聞くと、うるさいといってあしらわれます。塾に通っていますが部活で疲れたといって休むことも多いです。相伝学舎では相談のってもらえるでしょうか」

このご質問にたいして私の答えは

「生徒本人にやる気が無い場合は私にはどうしようも出来ません。塾にかよっているのにやる気が出ていないことが、その証明です。私は教えることが得意ですがやる気を引き出す能力がありません。申し訳ありません。」

でした。LINEでの無料相談はもうやっていないのですが、こうお悩みの保護者の皆様も多いことでしょうから、世のためにと思い私の見解を詳細に述べます。

かなり不快な見解になると思いますが、私は事実をどんどん伝えるタイプですので、良薬口に苦し(意味違う?)と思って、読んでください。

 

まず、親が「勉強しろ」と言うことは百害あって一利無しです。これは1000年前から1000年後まで変わらぬ普遍の真理です。水を温めたら沸騰する、呼吸しないと死ぬ、くらいに思ってください。

ご相談本文にあったとおり「うるせえなあ」と思われておわりです。もっとも効果がある場合でも、「なんとも思われない」というプラスマイナスゼロの結果になります。よって、平均的にはマイナスの効果を生むものですから、どんなに言いたくても言っちゃいけない禁断のセリフです。「勉強しろ」と言うごとに偏差値が0.01下がると思ってください。

高校生になれば、善悪の判断はつきます。今勉強しなければならないのか、しなくてもよいのかは本人が勝手に判断しており、それは誰がなんと言おうと変わりません。ひょっとしたら、ご子息が強烈な片思いをしてその子が「頭いい人じゃないと生理的に無理」とか言ったら変わるかもしれませんが、ほぼ見込み無しと思ってください。

もしくは「高2になったらやる」とか「高3になったらやる」とか決めている可能性もあります。私はこのタイプでちゃんと高1〜高2途中まで完全に勉強放棄し、高2後半から高3終わりまで勉強漬けの生活をして、受験を成功させました。そういうメリハリをつけるタイプであれば、可能性ありです。ご子息がこれまでにそういった経験をされているかお母様なら分かると思いますので、「高校受験のときも中3から本気だしたし、見守ろう」と思ってください。

しかし、もしこれまで16年間の人生でそういう経験をした形跡がなければ、高校生になって突如変わることは見込まないほうが賢明です。かといって、親がなんと言おうと変わるものでもないですから、諦めてください。

また、私の塾にはやる気が10段階で9とか10の生徒ばかりいますが、これは私が鼓舞しているからそうなのではなく、もともと8とか9の生徒が塾に入ることでちょっとやる気が増えたというだけであり、私はなんらしていません。やる気が1〜7の生徒が少ないのは、そういう生徒の場合にはそもそも体験授業をやらないから入ってこないというだけです。

さて、問題の本質はなんでしょうか?これはみなさん見誤られるのですが、親が「子供が勉強しない」といって悩む問題の本質は、子供にあるのではなく〇〇にあるのです。

明日に続く・・・

と思ってすでに4部作のblog記事を書いたのですが、当面公開するのはやめます。その代わり示唆に富む良い本をご紹介します。子供が勉強しないと悩む全ての保護者のみなさまへおすすめします。11ぴきのねこふくろのなか

 

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※現在LINE相談は受けつけていません。面談による有償相談をご利用ください。

http://www.sodeng.jp/reservation

 

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うまい計算方法を選んでいますか?

生徒に三角比の問題を解かせていて、いろいろと計算した結果、↓のxを求めれば正解、というところまでたどり着いていました。

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もちろんこの後は余弦定理をぶちかましてxを求めてくれれば良いんですが、そこでこんな計算、しちゃダメ!

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立式が合っていても、計算で間違えてしまいます。

こういうときは、相似な三角形を利用して簡単な数字にしてから計算するものです。25√6で割り算できますから、全体を25√6だけ縮小します。

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これでxを求めた後、再び25√6倍してもとにもどしてあげれば良いんです。

高校生だけでなく中学生も同様の工夫が必要で、たとえば今の時期三平方の定理の計算をすると思うんですが、辺の長さが5,3,4の直角三角形は有名ですね。では斜辺がx、残り二辺が9,12の直角三角形でxはと聞かれたら、15です。x,12,16なら20です。

要領よくやりましょう。

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