月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

小さなことでも自分で判断せよ 3

放置してうまくいっているのかというと、正直いってわかりません。もちろん私は合格するのに必要な判断力を養うべきだという考えから放置できるところは積極的に放置していますが、では放置しなかった場合と比較して高い結果が出ているのかと聞かれると、比較することが出来ません。だから、「たぶんこれでいいんだろうな」という感触で教えています。

ただどちらかというと上手くいっている生徒のほうが多いんじゃないかとは思います。というのも、入塾の段階で私が教えてうまくいくだろうという生徒に絞っているからです。月謝をもらうだけもらって学力が上がらないというのは教える側からすると結構精神的に負担になります。

勉強を優先する気持ちが固まっている、言われないでも毎日何時間も勉強できる。月謝を払う立場の保護者のかたからすれば「お金を払うのだからそれくらいの覚悟ができていて当然」と思うかもしれませんが、勉強のためなら親にお金を払わせることは普通のことで、なんらありがたいことではないと思っている中高生も少なくありません。塾で勉強したいなんてボク偉い?くらいに思っている中高生もいるんじゃないでしょうか。

よく言われることですが、塾にお客様気分で来られるとどれだけ教えても学力なんてあがりません。成績がオール3の中学生を教えるのなら塾で週に6時間とか勉強するだけで少々成績があがるかもしれませんが、大学受験の一般入試というのは次元が違います。最低限、勉強とは自分がやるものだという認識を持っていないと話になりません。

私の塾の生徒は、「大学受験なんて高校の指導で十分」という雰囲気のあるこの地域にいながらも塾で教わるということを選んでいる時点で勉強にたいして貪欲だし、入塾の段階でさらに勉強にたいする優先度を確かめているので、そのなかでもさらに貪欲です。すでに前のめりな生徒を教えるのに必要なのは宿題ではなくて、方向付けです。

とか理想論を偉そうに語っていたら、タイミング良いことに「これまでで実力テストの結果が一番よかったです」と入塾1年たつ生徒が今日テスト結果を持ってきてくれました!(笑)

某スパルタ高校で1年前に数学が下位2割くらいだったのが上位2割へと上がりました。実は彼の学力は結構心配だったのですが思い切って放置していました。エッヘン。

「最近数学どう〜?」と聞いたら

「数IIIとIAIIBの両立が大変です」と、言っていました。

なかなか「両立」の使い方が洒落てていいですね。普通の高校生は「部活と勉強」でしか使わないでしょう。私の生徒は「数IIIとIAIIB」の両立を頑張っています。

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小さなことでも自分で判断せよ 2

判断の機会を多くもってもらうためには、積極的に放置することが必要です。おまえの塾は月謝をもらって放置するのか!と言われたら、yesです。月謝をいただいて、放置します。

教える側からしたら、宿題やテストを多数あたえて、やってこなかったら罰として再テストや提出課題を増やして・・・という指導をするのはラクだし不安がありません。課す量を膨大にしておけば、勉強量100のうち身につく量が30だとしても放置して20になるよりはマシだという考えです。ちょうど、メガバンクが大量に新卒を採用して入社後の厳しい営業ノルマに耐えられるのが10人に3人いればいいかな、みたいなのと同じです(実際の歩留まりは知りません)。

しかしこれは私のポリシーに反するし、そもそも宿題漬けにしてほしいのなら皆様の大好きな面倒見の大変素晴らしい高校の言う通りにやっていれば良いのであって、わざわざ塾にお金を払う必要はありません。

話はちょっとそれますが私は高校受験に多額の塾代をつぎ込んでおいて大学受験になると無料の高校任せというのが不思議で普通は逆だろうと思っていたんですが、結局中高生とその家族のニーズというのは管理して欲しいというところにあるのだと考えれば、納得がいきます。

さて、では放置した分何をするのかというと授業で教えることと自習の方向を示すことの大きく2点です。

授業では、普通に勉強していたら軽視しがちなことを強調します。andが大切だとか、二次関数が大切だとか、そういうところです。勉強は基礎が大切とはよくいったものですが、本当にその意味を実感している中高生などいないに等しいので、そこは週に1回なり2回なり授業で強調することに意味があります。

しかしどんなに素晴らしい授業であっても週に2時間受けただけで学力が上がるほど大学受験勉強は簡単ではありません。それは、東進や河合塾などの有名講師の授業であっても同じことです。授業2時間きいたら家で20時間できるか?という意識でやってほしいです。家で何をどうやって勉強するかはある程度効率的なものを示せます。blogで再三述べているとおり、青チャート5回やれとかそういうことです。こと数学に限って言えば、宿題で多数の問題にあたらせるよりも同じ問題を何回も繰り返して、繰り返すごとに意味を理解していくということが学力につながるし、数学が楽し感じると思います。

英語も数学も、自習の内容というのは3ヶ月に1回くらい生徒と10分くらい話せれば修正が出来るものなので、自習の内容についてあれこれいうことは3ヶ月に1回くらいしかありません。それも高1のうちで、高2になって波にのってしまえば半年間話をしないでも勝手にすくすく育っています。

ちなみに塾ではテストや宿題が完全にゼロなのかというと、ゼロではありません。今年の高1は数学の単元を教え終わると2週間後にテストを実施する、というリズムでやっているし、たまに「これノートに写しておいて」といって写経?を宿題にすることがあります。「例題10〜20番まで自分で計算できるようにしておいて。次回テスト 」みたいなこともあります。たまにというのは2ヶ月に一回くらいです。宿題はやらせっぱなしでチェックしません。

では、放置して学力が伸びるのか?木村の高校の同級生のように「宿題がなくて天国だぁ〜」といってアホにならないのか?その答えは・・・

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小さなことでも自分で判断せよ 1

塾では基本的には私が高校生までに受けた指導を再現します。私が受けていない指導のスタイルでは教えることができません。

私の所属していた高校はとにかく自由で、提出する宿題は高1の入学式直後に春休み課題を提出させられたくらい。補習や赤点対象の補講、追試もありませんでした。それでみんな合格したのかというと、入学時の学力からしたら悲惨な結果になります。勉強を強制させられない高校生活は楽しすぎてみんな勉強しなくなりますから、そんなもんです。「自由な校風で受験もうまくいってhappy!」なんて都合の良い話はありません。

それで私も高2の途中までは「高校生活って天国だ・・・」と思いながら軽音楽部長をしたり生徒会長したりして楽しんでいたわけですが、さすがにこれじゃまずいと思って塾に行きだして猛勉強生活に切り替えました。

通った塾では最初の2週間だけ宿題が出されたものの、その後は基本的に宿題・提出物・テストがなく、講義スタイルで授業が進んでいきました。大学時代にはそのまま塾講師として雇ってもらいましたが、その時も「キム、生徒はひたすら自然治癒させるんだよ」と言うのが教えでした。

というわけで、うちの塾でも入塾直後に一通りの勉強方法を教えたあとは放置のスタイルをとっています。

私、31才になって思うのは「判断の積み重ねがその後の人生を形成する」ということです。自分で判断する経験が多ければ多いほど良いと思っています。小さなことでも自分で判断して結果が出れば自信になるし、結果が出なければ「何が悪かったのだろう」という反省に至るからです。

これが自分の判断ではなく「ああしろこうしろ」と言われた結果であれば、自信にも反省にもつながりません。(たぶん。ブラック環境に属した経験がないのでたぶん。)

私はこの31年間でひたすら自分で判断しつづけていくつか大きい成功経験を持つことが出来たので、同じようにじっくり考えて判断して行動を積み重ねれば出来ないことがよほどないだろうと感じています。自信満々です。

私は判断の機会に恵まれました。放置されたからです。

放置されると自分で決めるしかないのです。高校時代には自由な校風から学校の先生がたは「木村、もっと勉強しろ!」などと言うはずがなく、ひたすら低い順位と低い学力で推移しつづけましたが放置されたからこそ「そろそろヤバい、まじめにやろう」という判断に至りました。中学時代も似たようなもので、両親が勉強についてほとんどノーコメントだったので「何も言われないけど、とりあえず頑張っておこう」と思って勉強していました。

塾でも同じです。自分でやることを決めないと学力が上がらないことがわかるので、自分で決めるしかない。

大学時代は言わずもがなだし、会社員時代にも放任主義の社風のある会社を選んだので営業職としてどういうお客さんをターゲットにどうやって営業活動するか自分で決めていました。

また、自分語りになってしまいました・・・

人間が判断するときというのは「判断せざるを得ないとき」だと私は思うのです。だから塾では「判断せざるを得ない状況」を作らなければいけないし、そのためには生徒を放置することが前提になります。

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高3の授業は1月で終わり

高3英語の授業は毎週水曜日でしたが高3の授業は先週までで終了して、今日は塾を開けて授業はやらず、という珍しい日でした。

高校受験の延長でいうと直前に「直前対策」とかいって講習するイメージを持っている人もいるかもしれませんが、大学受験において直前に対策しなければいけないというのは健全な塾ではないし健全な生徒でもありません。

高2から在籍している生徒には2年間、途中から在籍している生徒には在籍期間かけて、教えるべきことはもう教えてあります。あとは、生徒が直前時期にどういう勉強を選んでどうやって最後の伸びを実現するか。

不安だという生徒にはアドバイスをするし、とくに聞かれなければこちらから口出しすることもありません。

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今日も忘れました・・・

昼にグルマンヴィタルという一宮にあるパン屋さんに行ってきました。愛知県で一番好きなパン屋さんです。

このお店を知ったのはまだ独立前に丸の内で会社員をやっていたときで、長者町店というところに週に1回くらい通っていました。清須市に引っ越してからは一宮の店舗に行くことが多いです。駐車場があるのが大きいです。

今日は新作販売会というのをやっていて、店長が作った新作を店長自身が店頭でトップセールスしていました。結構大きいパン屋さんなので年期のはいった人が店長なのかと思いきや案外若い人でした。

言葉遣いは結構ラフな感じですがパンの説明はとにかく熱い。

「今日のおすすめは、これとこれっすね。本当美味しいっすよ。このパンはイチゴとイチゴジャムとなんとかを混ぜていて結構水を多めにいれているんで食感がいいんすよ。こっちパンは他のお店はどうやって作っているのかあんまり知らないんすけど、結構固いところが多いんすよ。うちはカクカクシカジカ(忘れた)して作ってるんで結構手がこんでるんす。『店長またそんなめんどくさいことやるの?!』ってあきれられてるんすよ。あっ女性のかたにはこれがおすすめっす。フランスパンに西尾の抹茶を練り込んでいて、抹茶の成分でパンが柔らかくなるんすよ。」

で、私はこういう熱い人が大好きで一瞬でファンになってしまうタイプ。お店で3つ買って食べて、その後お土産に3つ買って帰りました。

こんな熱い人が店長だったら、そりゃパンも美味しいよなあと思ったのでした。

それで帰り道、家の鍵がどこだっけと思ってポケットをさぐったら無い。妻と出かけていたので、自分のカギは家の玄関にでもおきっぱなしかと思って、帰宅したらなんと・・・

玄関のドアに差しっぱなしでした。アホです。

「ねえこれ、泥棒入ってくださいと言ってるのと同じだよ」

と妻に反論の余地が1mmもない至極まっとうなことを言われました。仰るとおりでございます。

実はパン屋さんに向かう前に家をでてすぐ「あっ携帯わすれた、取り行く」といって一度取りにいったんです。そのときに、家の鍵をあけてそのままカギをさしっぱで寝床においてあった携帯をとって、「お待たせ」といって車にもどったときにはカギの存在を忘れていたのでした。

今日も30秒で忘れました。アホ。

一応、数学の解法は勉強して忘れるより新しく覚えることのほうが多いので、授業のほうは大丈夫ですが・・・

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