月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

サラリーマンくさい高校生

勉強の質、とか効率について書くと、日本人は仕事での生産性が低いとよく言われることに納得いく気がしますね。

高校生たちにはまったく実感がわかないと思いますが、日本のサラリーマンというのは朝9時に出社して定時が18時であっても18時ぴったりにタイムカードを切って帰宅する人ってほとんどいないんですよ。みんな長時間仕事をしていることがやる気アピールになると思っているからか、仕事があってもなくても残業を平気でします。

定時で帰る人なんて、部下が帰りやすいようにと気を遣う上司(その代わり朝は7時くらいに出勤する)と、空気を読まずに「さっさと帰ってジムに行こう」と思っていた7年前の私(朝も9時ぴったり出社)くらいなものです。私は勤務時間中にすげー集中して全ての仕事を終わらせてしまうのです、とドヤ顔で言いたいところですが、本当にやる気がなかっただけで、日中もちょくちょくサボってました。

話がそれてしまったので元に戻すと、公立の進学校でたいして学力のつかない参考書を長時間一生懸命勉強することが色々な人に許容されているのは、それが長時間のことだからだと思うのです。生徒にとっても長時間やっているから勉強した気になるし、教える側も教えた気になるし、保護者もそれをみて安心している、そんな感じではないでしょうか。

長時間やることが良いことなのだと高校生の時点で植え付けられるので会社員になってからもなんとなくそのノリをひきずっているような気がしてなりません。 

清須市の大学受験 相伝学舎
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塾の面談での話題 「学校の参考書やるべき?」

面談の時間を設けると生徒が些細なことでも質問しやすい、と書いたんですが、しばしば聞かれるのが「学校で○○という参考書が毎回テスト範囲になるんですが、まじめにやったほうがいいんですか?」というもの。

世の中の全ての勉強というのは「やったほうがよい」ものなのでもちろんその質問に対する答えはYESなのですが、質問の真意である「私が第一志望に合格するためには○○という参考書をやった方が良いですか?それとも他に時間を使ったほうが良いですか?」という質問なら話は別です。

参考書を見せてもらって使える可能性を検討しますが「いや、これやるくらいなら、今やっている勉強を続けたらいいよ」となるのがほとんど。もちろん答えるときには、なぜその参考書を使うべきではないのかをちゃんと説明します。

みんなが行きたい難関大学に行こうとしたら、毎日10時間の勉強メニューの効率化をはかることが必要で、世の中に存在する何百何千という参考書のなかから最も効果が出るものを探さなければいけません。

たとえば、筋トレをして筋肉をつけたいときに、タンパク質をどう摂取しますか?

一番良いのは粉末になったホエイプロテインを適当なジュースで割って、一度に50gとか70gのタンパク質を摂取することです。タンパク質が含まれているからといって、牛乳を一気のみする人はいません。同じ50gのタンパク質を牛乳で取ろうとしたら、1.5L必要です。しかも、牛乳には脂肪分が多く含まれますから、デブになっちゃいます。ゆで卵だと10個必要ですね。

学校の参考書チョイスというのは牛乳です。確かにタンパク質あるけど余計なものまでついちゃうし、おなかっぱいになっちゃうし、もっといいやついくらでもあるよね?という感じ。

生徒に無駄な時間をすごさせないというのは、ボウリングでガーターにならないように登場するバーみたいなアドバイスということになりますね。

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塾の面談での話題 「どこ目指す?」

最近、高校2・3年生たちと面談をしています。大学受験において塾と予備校の一番の違いはたぶんここで、授業で教える人間と生徒の自習の方向をアドバイスする人間が高1の4月から高3の2月までずっと一緒なのが私の塾です(というか私が一人でやっているので当たり前!)。

話題はあらかじめ決まっているわけでは無く、最近の勉強状況を聞かせてもらいながら、生徒の勉強上の健康状態をチェックできれば良いなと思ってやっています。1対1の状況になると、普段めんどくさくて質問できないことも質問しやすいと思いますし。

志望校が明確な生徒であれば勉強のバランスがとれているかどうかのチェックをするくらいであとは雑談になるし、志望校をどうしようか決めかねている生徒であれば考え方のヒントを投げかけてみるし、勉強方法がイマイチという生徒であればどの参考書をどう使ってというのを具体的に話してみたりします。

どの話題にせよ、共通していえるのは生徒の目線を少し高くすること。目標ではなくて、目線です。

たとえば「次の模試で600点以上とれれば××大学を目指したい」という生徒。「599点だったらどうするの?598点なら?」と聞くと、「うーん」となってしまう。だいたい、模試の素点なんて問題の難易度が難しければ低くなるし、簡単なら高くなるので前回の500点と今回の600点は簡単に比較できるものでもありません。

志望校を迷うというのはそれだけ大学の比較では決め手に欠けるということですから、じゃあどう決めるかというと、「どう生きたいか」という観点での決断になると私は思います。可能性が小さくともチャレンジしていきたいのか、大学のレベルは下がっても確実に自分の目標に近づける道を選びたいのか。

自分が「こうしたい」という意欲に勝る推進力というのはありません。希望の大学に合格できるかどうかは、もちろん学力の問題もありますが、一方で自分を信じて迷うことなく突き進めるかというのも同じくらい大きい要素のように見えます。

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辞書より分厚い参考書発見【プラスエリート】

数学の授業で教える内容、というか、教え方は毎年分かりやすくなるよう改善しているのですが改善するにしても自分で良い教え方を思いつくわけではないので、複数の参考書を参照して使えそうなものを調べています。

最近発売されて気になっていた参考書がこちら。

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辞書より分厚い参考書がこの世に存在するのですね。青チャートでさえ、さすがに辞書よりは薄いです。

 清 史弘という駿台の先生の参考書なのですが、参考書が数学にたいする愛であふれているので好き。

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分野別受験数学の理論、というシリーズものの参考書を以前買いそろえたのですが、どうやら内容はこのシリーズがベースになっているようです。

一冊にまとまって見やすいし、内容もだいぶ充実しているので授業の予習にはかなり役立ちそうです。

 

新数学Plus Elite数学1・A―大学受験生のための教科書 (駿台受験シリーズ)

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木村反省

2日前に少し思い切ったことを書いてみましたが、ゴルゴ13を愛してやまない私は常々自分を客観的に見たいと思っていまして、「ああ書いてみたものの、私の言い分って実際どうなんだろう」とその後考えていました。

私のなかで、

①一宮高校レベルの生徒は将来問題意識を実際に行動に移せる人間として活躍すべき
②問題意識を行動に移せる、言い換えると主体的な人間は、ケツを叩くより放置することで育つ

という2点から、「面倒見の良い」というのは実際のところただのスポイルである、という結論に至っています(一宮高校レベルに限った話ではありませんが)。

しかし、「うん、そうだよね、そういうやつは放置すれば勝手に動くしね」と同意してくれる人よりも「はぁ?放置して3%の確率で東大に行くか97%の確率で名大すらいけないかの選択するよりも、ケツ叩いて50%の確率で名大に行けた方がありがたいだろうがやぁ?!」と思う人のほうが多いだろうし「人物はどうであれコッコウリツに行けば将来安泰だがや!?」と思っているんだろうなあというのは、なんとなく察しております。

私なんかは、成熟しないまま大学にいってもそこでたいした学びがなく、成熟しないまま就職活動してもダメだろうと思ってしまうのですが、コッコウリツを崇拝する人が愛知県内でマジョリティであるなら、「人物がどうであれコッコウリツ出身のA君を採用しよう*」と人事部長がハンコを押すのも想像に難くありませんから、「成長とか成熟とかどうでもいいから、レベルがどんなに低くてもいいから、コッコウリツに行っておこう」という判断のほうが合理的な一面もあるのかもしれません。ていうか、たぶん、そう。(実際に*のような発言をしている人がいるんですよ、と、ある生徒のお父様が以前教えてくださった。)

需要と供給が一致しているのだから非難される筋合いはないし、なんなら需要に合わせない私はかなりのビジネス機会を取りこぼしていることになります。

縁あってこのblogにたどり着いてくれる毎日数百人の人の大多数95%くらいにとっては、参考にならないどころか読んでいて気分が悪いだろうし参考にしてしまったら生きづらくなってしまうようなことを書いていることになるのですが、それでも空気を読まず書き続けたいと思います。

毒にも薬にもならない存在にはなりたくありませんから。

というわけで木村反省してません!バカにつける薬無し?!

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