月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

魔王(伊坂幸太郎), 容疑者xの献身(東野圭吾), ルームメイト(今邑彩)

最近、毎日一冊小説を読んでいるのでまとめて感想文書きます。

感想文は必ずネタバレありです。

 

魔王 伊坂幸太郎

他人をみつめて心でセリフを喋ると、そのセリフ通りに他人が声を出すという中二病全開の能力を手に入れた主人公(設定はたしか20代)が、同僚女性に「好きです付き合ってください」と言わせるなどして弱者男性の妄想全開の行動に出るしょうもない話。5ページに1回は政治家によって群衆が突き動かされる描写があり、やたら政治のメッセージ色が強くウンザリしたため全体の1/2を読んだところでギブアップ。

面白度:コンパス1つ

🧭◯◯◯◯

 

容疑者xの献身 東野圭吾

大学時代めちゃ優秀で有名だった石神は色々あって高校の数学教師に落ち着く。しかし教育困難な生徒に追試を連発しているなか生きる意味を見いだせず自殺しようとしたときに、隣の家に夫と離婚した妻とその娘が引っ越してきて元妻に一目惚れ。そしたらある日元妻が部屋でカネをゆすりにきた元夫を殺してしまってそれに気づいた石神が元妻に近づき、事件を隠滅しましょうと提案。めちゃ優秀な脳みそフル回転で、なんともう一人別人を自分が殺してまうトリックを遂行してまで未亡人&娘を守ろうとする。

たぶんそのままいけば3人ともめでたく事件を隠蔽できたのに、石神の元同級生で現在大学准教授の湯川が登場し謎を解き明かし石神の努力を全て水の泡にする。

恋愛経験なさそうな石神が自殺直前に未亡人に惚れた生きがいで超頑張ったのに、同じく恋愛経験なさそうな湯川がいらんことして石神のプランを台無しにする、ムシャクシャストーリー。湯川は探偵ごっこしてないでおとなしく大学で研究しとけ。

最後未亡人は「自分だけ幸せになれないっ!?」とか言い出して自首して石神の計画は完全にパー。石神が報われない、救いのない話。石神以外全員自己中。

面白度:コンパス2つ

🧭🧭◯◯◯

 

ルームメイト 今邑彩

多重人格をもった女性が、「内縁の妻」「女子大生」「ホステス」という3人を同時並行して生きる生活をして関係者が色々困る話。「内縁の妻」の夫Aは、内縁の妻がいきなり家出してびっくり。「女子大生」のルームメイトB(同じく女子大生)は、女子大生がシェアハウス生活4ヶ月目でいなくなって来月の家賃どうしようと悩む。「ホステス」と付き合っていた男Cは、ホステスがかつて性的虐待を受けた男を代理で殺してあげたのに「やっぱあんたいらない」と言われて別れられて困る。多重人格女性はこの付き合ってた男に殺されてしまう。

小説の序盤でストーリーが大きく展開するのでこれ以上どういう話の展開になるのだろうと心配になるが実は登場人物中にもう一人多重人格者がいて、ホステスと付き合っていた男C=女子大生Bというオチ。最後この男Cと女子大生Bの彼氏とのバトルになって結構ドキドキした。

付き合っていた男C(実は女B)が1ページ目に登場したときたしかに一人称が「俺」の割には女っぽさを感じて、作家が女性だとそういうもんなのかと済ませていたが、読み返してみると「俺は濡れた髪を拭きながら・・・」と書いてあり、女っぽさの原因はこれかと納得。

面白度:コンパス4つ

🧭🧭🧭🧭◯

 

 

 

 

相伝学舎 清須 http://www.sodeng.jp
reasn いりなか・八事 http://www.reasn.jp