月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

12時間のスパルタ治療

数学の瀕死患者が塾に搬送されました。出血がかなり激しく心拍は停止状態で、もはや開腹しなくてもぐっちゃぐちゃなのが分かるほどの重傷です。しかしこちらは何人もそういった患者を蘇生してきているので、焦ることはありません。自分で言うのもなんですが、数学瀕死患者蘇生の腕は愛知県内でもトップ5人には余裕で入ると思います。
まずは10時から22時までひたすらテキストを写させました。限界ギリギリでやらせるスパルタ治療です。耐えてくれれば蘇生します。患者の生きたいという思いが生死をわけます。

青チャートがバージョンアップ

青チャートが新しくなっていました。塾では青チャートを利用しているので新しく買いました。新学期にむけて、目を通しています。

問題のほか「青チャートをこうやって使ってね」的なページが増えて、全部で60ページくらい増えてました。

キャッチコピーは以前のほうがいけてますね。

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私が塾の教材として青チャートを利用しているのは、私が青チャートを利用する塾で習ったから、というただそれだけです。他にも良い教材はあるんでしょうけど、IAIIBIIIの基本的な例題を習得するのに青チャートから変える気にはなかなかなれません。

問題数が多いのですが生徒にやらせるのは例題に絞っています。

解説は教科書傍用問題集(クリアーや4STEP)などと比べれば豊富ですが、難しめの例題を自習で使うのは学力の高い生徒ではないとキツイと思います。塾では、行間の意味をかなり補って説明しています。それと、青チャートは変な公式を覚えさせようとすることがあるので、覚えるべき公式とそうでない公式をしっかり区別して教えます。

改訂版 チャート式 基礎からの数学IA(amazon)

清須市の大学受験 相伝学舎
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時間を管理しないでやることを管理する 2

勉強時間に満足する生活を続けた先に、宿題をやって満足する高校生活が待っています。

宿題を消化することで満足感を得てしまう生徒というのは、大局観がありません。目標の達成とは毎日のテストや宿題の積み重ねの延長にあるのではなくて、目標を達成するためにやることを自分で考えてそれを一つずつ実行していく先にあるのだ、と言ってもキョトンとされて終わりでしょう。

生徒を宿題やテスト漬けにすることのメリットは学力をそれなりに底上げできることですが、デメリットは生徒が自分で前に進むことを阻害することです。

愛知県から北海道に行きたいとして、まず北海道に行く手段としてセントレアとか小牧から飛行機でいくか、東京経由で新幹線でいくかどうしようかなと考えるのが自然であり、いきなり「とりあえず方位磁針をみて北東方向へ毎日10km歩け!」と言われたら、こいつ頭おかしいのかなと思うじゃないですか。

これが大学受験勉強となると、「とりあえず北東に歩き出そうか」というアドバイスを普通に受け入れている人が多数派です。いや、まずどうやって行くのが効率的なのか考えようよ、と私は思います。

北東に取りあえず歩き出してしまった人は3年後、長野県とか新潟あたりには到着しているかもしれませんが北海道には到底たどり着きません。「この辺も寒いしまあいっか」くらいで納得しているのでしょうか。

それで「北東へ歩け!」と言った指導者のほうを見てみると「北海道は無理だったが、寒いところに着いただろう?寒ければいいのだ!」と満足そうにしています。最初から北海道に行かせるつもりは無かったのでは?

「進んでる感」に満足してませんか?ちゃんと進んでますか?というのが私からの問題提起です。

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時間を管理しないでやることを管理する 1

ある中学生の生徒に「春休みの予定たててきて」という課題を与えて、今日その予定を拝見したんですが「3月31日、社会1時間、理科1時間・・・」みたいな感じで、勉強の時間を計画していました。

あ〜そういえば私も中学時代、勉強計画といったら科目ごとの勉強時間をかいていたかも、と思い返しつつ「やる時間じゃなくて、内容を考えましょう」と言って、既習範囲のなかで苦手な分野をリストアップしてもらって、取り組む内容を考えていきました。

時間によって勉強を管理しようとすると、時間を消費することに目がいってしまって、学力を得るという本来の目的が相対的におろそかになってしまいます。本当に必要なのは学習時間ではなくて学力ですから、自分にとって必要なことが何かというのをリストアップして、それを14日間の春休みなら14でわって、1日あたりのやることを考えるのが合理的です。

リストアップしてもらった分野は色々ありましたが、今回の春休みは数学だけに焦点をあてることにしました。複数科目よくばって未達に終わるよりは、1科目に絞って計画どおりやることのほうが、成長するだろうと考えました。

blogやtiwtter上では今年は中学生やりませんと言っておきながら、やっぱりやることにしました。朝令暮改というやつです。でも授業はやりません。

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数学は予習やっちゃだめ

高校の勉強といえば「予習・復習・テスト対策!」あたりの号令を思い浮かべる人が多いと思いますし、高校でなくとも「予習・復習」というフレーズはしばしば耳にします。

数学についていえば、予習・復習のうち予習はやっちゃいけないと私は考えています。

中学までの数学と違って、高校の数学は理解するのが難しく解法の説明を聞いても「?」がとれないことも、頻繁にあります。そういう問題を無理して予習すると変なクセがついてしまいます。

高校の数学は、正しい考え方というのがあって、どんなやりかたであれ答えにたどりつければOKというものではありません。その正しい考え方というのは思いつけるものでもないし、最初のうちは青チャートなどの問題集を読んでも理解できません。行間の意味を授業中の先生の言葉から読み取らないと、難しいと思います。

なので私の授業は予習ゼロを前提にしてつくっています。

そのかわり、復習です。習った問題を何度も解くなかで、問題の意味を理解していってほしいです。

高校の指導というのは全体最適という概念がないので、全ての科目に全力投球することを求めてきます。しかし、そんなことは普通の人間には無理です。

賢明な高校生のみなさんは、さっさと志望校を決めてしまって、その志望校にうかるために必要なことはなんだろうかと考えてみてください。

以前、チャートの例題で展開するだけのやつは解いてみてもいいかもと書きましたが、ここは単純に展開するだけなんで、まあいいかなと思います。

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