月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

高校の進学実績をみて、比較してはいけません

高校受験で、〇〇高校にしようか△△高校にしようか考えているなかで進学実績が気になることがあると思いますが、進学実績というのは絶対評価しては良いけれども相対評価(=比較)してはいけません。その考え方は受け取る人の思考です。

そもそも志望校を悩むというのは基本的には同じ程度のレベルの高校で悩むはずです。五条高校か西春高校かを悩む人は居ても、一宮高校と新川高校で悩む人はまずいません。

同じ程度のレベルの高校というのは何が同じかというと、入学時の学力のレベルです。当然、入学時の学力のレベルに差があれば卒業時も同じような感じで差がつきます。

五条と西春で言えば、入学時も卒業時も全体としては西春のほうが若干上ですし、一宮と新川なら入学時も卒業時も一宮のほうが断然上です。

では五条高校と西春高校の大学合格実績を見て、「西春は名大が27人で五条が30人なら五条のほうが良い高校だ」と判断できるでしょうか?できるはずがありません。

合計の数字というのは、生徒個人の数字ではなくて学校という一つの単位の数字なのです。仮に、西春が名大27人、五条が30人としましょう。この30人とか27人とかいう数字を評価できるのは学校としてどうであるかなので、たとえば愛知県教育委員会の偉い人が「五条のほうが入学者レベルが低いなか西春より実績が出ているのは素晴らしい」と考えるならアリかもしれませんが、その数字をみて「合格率が良い五条に進学しよう」と決めるのは早計です。

だいたい、そういう僅差というのは生徒にとっては何の意味もないのです。僅差ということは受ける授業や補習の内容は大差がないということです。もし自分の分身がいて、西春と五条それぞれに一人ずつが進学したとしても結果が変わるわけがないのです。そこにあるのは、似たような授業と自分なのですから。

ですから進学実績の比較というのはナンセンスです。仮に、実績が僅差ではなく大差がついていたとすれば、教育内容の違いかもしれませんが、大差がつくならばそもそも校風がずいぶん違うはずであり進学実績よりもそういう違いに目がいくはずです。

カタログをみて高校を考えるというのは、完全に「受け取る人」の考え方です。「この高校は私に何をしてくれるだろうか? 」こういう考えの人は、塾にきても「この塾に通えば偏差値があがるんだろう」と考えて、結局勉強せずに偏差値があがらず「この塾はだめだ」と決めつけたり、あるいは参考書でも「この参考書はだめだ」と言ってどんどん新しいものを買って、結局何も得ないまま当日を迎えるのです。

それより「この高校に通うことで、何が利用できるだろうか?」と前のめりに考えることです。「五条はスパルタで嫌だが、それを覚悟で来る生徒はドMでガリ勉が多いのだろう、そういう中に1人や2人はライバルがいるはずだから、そいつと競ってみよう」とか「名古屋市内の高校のほうが自由に時間を使えそうだ。やらされる勉強より、主体的に自分で勉強できるほうが自分にとっては結果が出るだろう」と考えて欲しいものです。

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清須市の大学受験 相伝学舎
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