この辺の高校の特徴の一つに、学校が親を介在させたがる傾向があります。
親・子・教師の三者面談が毎学期あるのが普通というのは面倒見が良いをはるかに通り過ぎて異常だし、生徒の勉強の態度が悪いと学校から家庭に連絡があるというのも同様に気持ち悪いです。
先日、一宮西の生徒に見せてもらったプリントにこんな文言がありました。この高校では放課後に自習時間を設定するそうで、そうなると帰宅時間が遅くなるからよろしくね、というお知らせ&自習申し込み書のようなのですが、
「・・・つきましては、参加を希望される方は、右の学習のための下校時刻延長許可願を提出して、参加させていただきたいと思います。」
この違和感わかりますか?
「参加させていただきたい」
って日本語変じゃないですか?生徒が参加することを促すなら「参加していただきたい」ですよね。
最初に読んだときには日本語の下手な人が書いたのかと思ったんですが熟読したら違いました。その一段落前に、
「なお帰宅の途上での不安がある場合には、御家庭の迎えが願えれば安心してお子様を参加させていただけるかと思います。」
とあります。
つまりこれは、学校が生徒にたいして「参加しろよ」という文章だったのではなくて、学校が家庭にたいして「参加させろよ」という文章であり、違和感の感じた「参加させていただきたい」の「させて」は間違いではなくて使役の意味だったのです。この文言だと学校や親が生徒の首根っこをつかんで勉強させているように感じられます。
たしかに帰宅時間が遅くなるというのは家庭と学校の間で了解すべき事項かもしれませんが、文言のチョイスはエリートとされる名古屋大学を受験するような有望な一宮西高校の生徒たちに向けられたものとしては稚拙すぎます。
この文章のさらに前半部ご紹介します。
「大学入試は年々厳しさを増しており、志望校に合格するためには、一層の努力と学習時間の確保が望まれます。」
保護者の皆様からしたら学校の先生が「受験に関して」述べていることは正しいように感じられてしまうかもしれませんが、そんなことはなく完全に雰囲気と感情で話しています。大学入試は年々厳しさを増すどころか実際は逆で、易化しているというのが一般的な認識です。受験する生徒の数が減っているのに、難関大学の合格者数は減っていないからです。
意図するところは「勉強頑張れよ」という意味の発破だと思いますからあまり突っ込みすぎるのは揚げ足取りですね。