高1のこの時期にならう必要条件、十分条件について。常々数学は意味が大事と言い張る私ですが、必要条件・十分条件の判別については意味を考えると迷宮入りしてしまうので当てはめで考えるよう、教えています。
P⇒Qがなりたつとき、
PはQの十分条件
QはPの必要条件
です。「⇒」記号の右にあるやつが十分条件、左にあるやつが必要条件です。
命題Pを、「東京大学理科一類に合格する」として、
命題Qを、「1日12時間勉強する」とします。
このとき、「1日12時間勉強する」は「東大理一に合格する」の何条件でしょうか?
考え方としては、P⇒Qなのか、Q⇒Pなのか、もしくはP⇔Qなのか、関係ナシなのかを考えればよろしい。
まず「東大理一に合格」⇒「1日12時間勉強する」は、実際は1日12時間未満の勉強で受かるヤツも数人はいるでしょうけど、東大にいくくらいなら高3で1日12時間くらいやってる人のほうが圧倒的多数のはずなので、真だとしておきます。
次に「1日12時間勉強する」⇒「東大理一に合格」について。1日12時間くらい勉強した人間のうち4人に1人くらいが合格しているんじゃないでしょうか。偽で良いでしょう。
というわけで、P⇒Qは成り立つが、Q⇒Pは成り立ちません。設問の主語である「1日12時間勉強する」つまりQはP⇒Qにおいて「⇒」記号の右側にあるので必要条件です。
ここで意味を考えてみると、東大に合格するには1日12時間の勉強が「必要だよね」で納得いくでしょう。ただ、これが「十分だよね」になってもあんまり違和感がないので、意味で考えるのはややこしいんですよ。
ちなみに、東大だろうが早稲田だろうが慶應だろうが、自分の第一志望に合格したければ高3は毎日12時間の勉強をやっとかないといけないと思いますよ。合格するのが基本である高校受験と比べて、大学受験は落ちるのが基本ですからね。
ちなみに塾生諸君は承知のとおり、自習で12時間です。授業を聞く時間はノーカンです。
高1、高2も同上です。授業というのは聞いて勉強「した気になる」時間のことであり、勉強「した」時間とは自習して自分で手を動かした時間のことを言います。