引き続き「国際開発」の授業の話題です。
フィリピンをテーマにして豊かさについて考察していきます。
今回のテーマは「アイデンティティ」でした。日本人のアイデンティティとフィリピン人のアイデンティティの比較は大変興味深いものでした。一つだけ特徴を比較すると、日本のアイデンティティは「過去」、フィリピンは「未来」だというのです。
日本には縄文時代からの日本史があり今も日本固有の文化を持っておりそれが日本人のアイデンティティに寄与しています。一方でフィリピンにはそういう長い歴史や過去の偉大な統治者というのは存在しなく、フィリピン固有の文化というのも国民に共通したものは存在しないということです。フィリピンでは過去に植民地化されては自由民権運動が起こり、と思ったら独裁者が現れたり、と政治的には不安定のなか、これからの未来を作っていこうという共通の認識があるようです。
正直、フィリピンといえば
亜熱帯、ビーチ、リゾート、陽気、優しい、甘い、酸っぱい
くらいの認識しかなかったので、文字通り何も全く知らなかったと痛感しました。
先生がある農家夫婦と雑談していて「フィリピン人のアイデンティティとは?」とたずねたところ「人に優しくすることだ」という返事があったようです。
塾で商売しながら、社会に提供できる価値とは何かばかり考えている自分、つまりアイデンティティを頑張って作り出そうとしている自分にとっては、アイデンティティをすでに内面に持つものという考えには衝撃的でした。