月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

みんな慶應経済受ければいいじゃん

私が塾をやっていて寂しいことは「慶應経済目指します!」と高らかに宣言してくれる生徒がいまのところ一人もいないことです。しかもどちらかというと、慶應より早稲田にいきたいという声を聞くことが多いです。なおさら寂しいです。

私が一番教えやすいのが慶應大学経済学部の対策なはずで、そのことは生徒もちょっと考えればわかると思うんですが、なぜか!、人気がありません。

「慶應でても先生みたいに地方で塾を立ち上げて『関係代名詞節は不完全な文だが同格名詞節は完全な文だ〜』とかいう将来なら魅力ありません!」

とか言われたら、どうしよう。でも君たちはその授業をうけて学力が上がっているんじゃないか。

と被害妄想してしまいそうです。

入学時に必要な学力は低くはないんですが、それでも理系で東工大とか早慶いこうとするよりは省エネで挑戦できます。理系で難関大学いける人は本当にすごいです。IAIIBに加えて数IIIをやらなければいけないし、数学だけでなく物理化学でも難問相手に苦労しなければいけません。しかも英語もそれなりに仕上げないといけない。

それを考えると慶應経済の英語はまあまあキツイかなという気はしますが、数学は常識的な問題しかでないし、小論はとっつきづらいイメージがあると思いますが半年くらい時間をかければなんとかなります。

じゃあそれが同じ文系で上智とかマーチを受験するのと比べてどうかというと、仕上げるレベルはそりゃ違いますけどやるべきことってそんなに変わらないんですよ。

省エネで入学できるわりには卒業後にとれる選択肢は理系学部と比べてそれなりなのかというと、遜色ないですよ。サークルの先輩後輩同級生をみてても、医学部はさすがに別格ですが理系と文系で有意な差があるようには思えません。

研究職に特別な感情があれば話は別ですが、理系でも文系でも就職する先は大差ないし、たぶん給料も日本の会社に就職する分ならそんなに変わらないんじゃないかと思うんですが。あんまりお金の話はしないので、想像ですけどね。

私、高学歴は素晴らしいと思っているんです。だからこそ塾を開いて熱心に高校生達に勉強を教えています。とかいうと多少学歴コンプレックスをあおってしまいそうなんですが、決して「高学歴で甘い汁すってウマー!世の中のアホからカネを巻き上げてやるぜ!」とかいう意味じゃないですから。

たぶん、高学歴にたいして「就職するときに安定高給の大企業に入りやすくて就職と同時に人生安泰」くらいの想像にとどまっている人が少なくないんじゃないかと思うんです。

でも実際はそこじゃないんです。・・・明日へ続く

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慶應大学経済学部受験の思い出

今日は慶應大学経済学部の入試の日です。塾生で受験する生徒は・・・いません。私は13年前くらいに三田キャンパスで受験していました。そのとき、私が通っていた塾で同じく慶應経済を受験する同級生がたしか7〜8人くらいいまして、文系が私含めて2名、あとは理系で東工大や早慶理工をめざす人たちでした。

今年の入試問題に「数IIIの複素数が出題された!」とかTwitterで話題になっていましたが、みたところ複素数の問題ではあるものの複素数平面ではないので、数IIの範囲内だとは思うのですが、全体として慶應経済は数IIIまで理解している生徒に来て欲しいという傾向の問題が多い気もします。

つまり理系の人にとって解きやすいってことです。これに加えて、A方式は英数+小論で受験できるので、理系の東大東工大志望者で滑り止めに使おうとする人が結構居ます。塾の同級生達もこの手の人たちで、「小論対策やってないけどいけるっしょw」的な感じで受験していたようです。

まあたしかにみんな高1からゴリゴリ数学をやってきた人たちなので数学は私なんかよりものすごく出来たのは事実なのですが、実際「小論対策しないで受からないだろう」という私の予想どおり、その年に塾で合格したのは私ともう一人、東工大に後期で合格したO君だけでした。

数学で小論(+自由英作文)のハンデをぶっちぎる作戦は、難しいってことです。(もちろん慶應経済をうまく滑り止めに使えなかった同級生も、本命の理系学部の受験では良いところに受かってました)。

私は小論も英作文もまんべんなく対策して望みました。英語はとにかく量が多いし内容が難しいし、英作文に時間を使っていたらギリギリになるし、で大変ストレスのかかる時間でした。あの緊張感とストレスは若干トラウマ気味で、問題を見ることはできますが解きたくないです。あのとき以上の集中力を発揮できるときは死ぬまでないんじゃないでしょうか。18才の自分に勝てる気がしません。

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結局数学って暗記なの?暗記じゃないの?

「数学は暗記だ!」と言う人もいれば「数学が暗記だという数学教師はゴミだ!」くらいのことを言う人もいます。

結局、どっちなんでしょうか?

私は、その答えは誰に言うかによって変わると思います。

大学受験をする高校生を前提に話します。

学校の授業をちゃんと聞いて、それなりに定期テスト対策をするけど校内順位が下位2割くらいの生徒にたいしては「暗記しろ」です。クリアーでもサクシードでも4ステップでも教科書傍用の問題集の一番簡単な問題をひたすらといて、暗記しなければ話になりません。

つぎに、同じく定期テスト対策をして校内順位がちょうどまんなかくらいの生徒にたいしては「暗記するな!」です。教科書傍用問題集の、レベル2とかB問題がかろうじて解けるが少し問題の文言が違うと嫌だ、という学力でしょうか。

公式や解法の使い方だけを覚えてとける問題は、数学の表面しかふれないような問題にとどまります。もうちょっと数学の意味に踏み込んだ問題をとけるようになるには、公式や解法の意味を理解しなければいけません。

二次方程式の判別式、余弦定理、加法定理、二項定理、色々と「覚えれば問題のとける」公式がありますがそれの作り方を学ぶことで次のレベルに持っていけることでしょう。

「公式の作り方を理解して覚えるなんて当たり前じゃん」というすでに数学の学力の高い生徒にとっては「やっぱ暗記よ」となります。このレベルの生徒なら言われないでもわかるでしょう。青チャートや1対1対応の数学にのっている解法を一通り覚えないと難しい問題は解けません。

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数学を何時間勉強していますか 2

数学がやばい、ダメだと気づいて私の塾にくる生徒には英語の受講を希望しても同時には開始せずに2〜3ヶ月くらいは数学だけ取り組んでもらうことがほとんどです。英語も覚えることが多い科目ですが、数学はそれ以上に多いです。

理系では高校3年間をフルにつかってやっと難しい数IIIの問題が解けるようになるかならないか、一度でもIAIIBで苦手な分野が出来てしまったら一通りの問題を網羅するのは困難であると感じます。

文系はIAIIBだから簡単なのかというと、解法の難易度はIAIIBもIIIもさほど変わりません。二次関数や軌跡の問題は理系の生徒でも難しいと感じるはずです。文系であっても青チャートの例題を一通り理解して覚えるのに2年はみておいたほうが良いと思います。

私の経験では1年4ヶ月程度でなんとかできましたが、最近思うに私は比較的数学の飲み込みが早いほうです。「俺ができたんだからおまえもできる、頑張れ!」というのは違うかなと最近感じ始めています。

というのも、これまで「俺が出来るようになったやりかたを教えるから、まねするんだぞ!」的な教え方をしていたんですが、それで順調に成長する生徒と私の予想より成長に時間がかかってしまう生徒でバラツキがあるんです。どちらかというと後者のほうが多いです。順調に成長してくれればあとはご自由に、と出来るんですがそうでない場合はもう少しどうにかしてあげたいなと思うことがよくあります。遅かれ早かれ解けるようにはなるのですが、あまり時間がかかると余計な不安が生じてしまうと思うんですよね。

だから今まで塾では勉強のやりかたを最初の1ヶ月で詰め込んであとは放置のスタンスでいたところ、こと数学に限ってはもう少し演習のやりかたを面倒みたほうがよいのかなと思っています。最近、授業に演習の時間を取るようにして変化があるか試しています。

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数学を何時間勉強していますか 1

最近、ある生徒が「しばらく自習で英語の割合を高めていたら数学があまりよくなくなったので数学を増やした」と言っていました。授業でみていて以前より不調かなと思っていたので、なるほどと思いました。

数学は高校生諸氏が思っているより、はるかに勉強時間を要す科目です。

私も日中にやっていることはたいてい数学の問題を解くことでございまして、一日に最低で4時間くらいはやっています。これくらい確保できると、毎月色々な解法を身につけることができて学力も伸びると思います。

「4月から10ヶ月で計算用紙A4で1000枚使いました」といっていた生徒がいましたが、私は計算用紙につかっているノートを半年で43冊消費しました。1冊につきB4が40枚なので1700枚相当です。実際にはコピー用紙も併用しているのでもっと多いです。

ある程度数学の得意な私で4時間なので、現役高校生は8時間くらいは時間をとっても良いんじゃないでしょうか?

さすがに8時間は難しいかもしれませんが、そのくらいの勢いが必要です。

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