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月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

理科とか社会どうするんですか

連載をしばらくお休みします。すでに6回かきましたが、これで半分くらいでしょうか。Kさんは入塾後の伸びが凄かったので、振り返って書くと楽しいんですよね。

さて本日は表題の件、3−4月は多くの人が話を聞きにこられるのですが、よく頂いた質問です。

英語と数学以外の科目はどうするんですか?

というご質問。中学と高校の勉強が大差ないという認識をしているとこういうことが気になってしまいます。

塾では高2の終わりころまでは英数だけに集中してもらいます。英数と、理科社会で必要な勉強量って大学受験だと全然違うんですよ。理科と社会をやってるヒマ、ありません。

文系でも英数だけ!しかも英語より数学です。文系でも。

文系の数学受験って以前も書いたとおり地歴受験よりは高いランクの大学に合格する可能性が高いです。しかし、それは数学が得意になった人にとっての話で、数学できる人と出来ない人の間には、中学で言う成績5と2の間の差くらいの、大きな溝があります。それを乗り越えてもらわないといけません。

それは1日30分とかの勉強じゃどうにもならないんです。2時間3時間は費やしてもらわないといけない。だから、文系も理系も英数だけ、とくに数学に絞って頑張ってもらいます。

高1の授業は春休みから数えて明日で8回目?くらいですが、そのうち英語は1回で残りは全て数学です。それだけ私の頭は数学でいっぱい。

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp

五条高校の生徒が3年間しっかり勉強して国立大学医学部に現役合格した話 6

高2の年明けくらいまでは英数に注力してもらっていましたが、高3も近づいてくるといよいよ本腰をいれて理科を勉強する時期です。物理・化学をいつから本格的に勉強するかは、「難関大志望者なら高1からやるべき」という人もいるかもしれません。私は、高2までは英数に集中し、高2の終わりから理科を本格化という考えでいます。

まず、英語はいつ読解力が向上するか読めないので、そこそこの読解力を得られるまで英語は時間を費やしたい。数学も暗記量は少ないとはいえ、解法はある程度暗記しなければいけないので3年間しっかり時間を費やしたい。そういう理由で、私は英数を他の科目に先行して仕上げる方針をとっています。

英数に加えて物理・化学、もしくはそのどちらかを高1・2のうちから本格的に勉強するのは普通キャパオーバーで無理です。高校の指導は全体最適の概念を持たないので、高1から高3まで全ての科目で気を緩めるな、という感覚でいる人が多いかも知れませんが、それだと英語と数学がものすごく微妙な学力で終わる可能性が高いです。

理科を本格的に勉強するにあたって、物理のエッセンスと名問の森を紹介しました。青チャートや一対一を独学で読み進めていけるKさんには、解説がシンプルでわかりやすいこの二冊は最適です。化学は学校で配られた解答集のない重要問題集をすでに学習していたので、最初のうちは塾においてある解答集を使って自習していたようですが、そのうち市販品を買って解答集を手に入れていました。

問題集だけ渡して解答集を渡さない、というのは高校の授業でよくあるクソ指導ですが、そういう指導は無視するか、配られた参考書を使う場合は解答集を手に入れるべきです。学校側がなぜ解答集を渡さないかというと、渡してしまうと授業を聞く生徒がいなくなって授業が成立しないからです。渡さなければ、生徒は授業を聞かざるを得ません。

Kさんの体験記に「多くのテキストに手を出さず、同じテキストを何度もやる」と書いてあります。これは大事なことで、参考書を一回やり終えるともっと難しい参考書に手を出したくなるか、一回やり終えるまえに別の参考書に手を出したくなるという人が少なくありません。同じ参考書をくり返し取り組んで学力をつける、というのは出来る人にとっては当たり前のことですが、出来ない人にとっては全く出来ないことです。

Kさんの場合、どの参考書も私がみている限りではだいたい3周くらいしていました。参考書の選択も王道です。過去の受験成功者と同じことをしているだけですが、高校の同級生で同じような勉強をしている人はほとんどいなかったでしょう。地方の公立高校には受験の正しい情報が届きません。

五条高校の生徒が3年間しっかり勉強して国立大学医学部に現役合格した話 5

時間を3ヶ月ほど前に戻して、入塾から夏休みまででだいぶ学力を伸ばした感があり、模試の結果(9月頭の結果は10月中旬に返却される)をみるまでもなくそれは明らかだったので、Kさんには目線を上げてもらうべくやや長期的な表を用いて今後のことを説明しました。

 

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 (2年9月のところに「現」とあるので、たぶん2015年9月ころに面談して示した表)

 

この手のスケジュールは書くだけ書いて終わりになることがほとんどですが、高2のうちは書くだけ書いて終わりでいいと思います。「大学受験とは志望校の合格最低点を取るためにやるべきことをやればいいんだ」と少しでも思ってもらうきっかけになれば、役割として十分です。

その上で、「受験の成功のために一番大切なことはなんだろうか、四字熟語で答えよ」という問答を授業で会うたびにしていました。この学年は高2の冬の時点で6名と少人数だったので英語の授業を問題の解けたものから順に個別添削、という形式でやっていました。それで、添削終了後に3週間くらいにわたって宿題にして考えさせていました。この四字熟語はこれからも塾の生徒に考えさせたいのでここでは秘密にします。

この四字熟語を知ると、Kさんの体験記にあるように「取捨選択」が出来るようになります。とくに「捨てる」という行為は普通の人には出来ません。これが出来ると、大学受験の結果はずいぶん変わってきます。

考え方の指導というのは、生徒によって教えることもあれば教えないこともあります。教えるかどうかの基準は、私のことを完全に信じているかいないかです。塾では、「高校の授業中は英語と数学の自習をしていればよい」とか「定期テストは赤点さえとらなければ良い」とか「模試と実力テストの結果だけが大事」ということを言っています。blogで何度も書いているのと同じことです。

では、私の塾の生徒が全員私と同じように考えているかというとそういうわけでもありません。考え方を教えてもうるせえなと思われるだけだろうなという場合には、勉強以外のことは口出ししません。

本日は連載お休み

合格の軌跡シリーズはこれまで5000字分くらいを公開していますが、すでに1万字の下書きがあります。それでも高3の秋まで。最終的に何文字になるやら?

いつも公開前に推敲に推敲を重ねています。今日は時間切れなのでお休みします。

今まで塾の時間割は授業が18時から20時までで、20時〜22時にblogを書くことが多かったんですが、4月から授業を18時〜20時、20時〜22時の2部構成にしています。で、22時には塾を閉めるのでblogは18時までに書いておかなければいけなかったのに、書けていませんでした。

話は変わりますが今日新高1で授業中に「自己紹介でもせよ」と言って新年度らしく始めようと思ったら「最初は先生から」と言われてしまって、高校時代から根に持っていて復讐したい人間がいるという話をしました。私は恨みを忘れないでエネルギーにするタイプ。

で、「好きな食べ物はなんですか」と生徒から質問されました。高校では、出身中学・趣味などのほか好きな食べ物を自己紹介で述べることが多いらしいのですが、好きな食べ物聞いて、何か参考になるのでしょうか?

私の好きな食べ物は、ハンバーグ、オムライス、唐揚げ、ポテトサラダ、豚汁です。

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五条高校の生徒が3年間しっかり勉強して国立大学医学部に現役合格した話 4

普通、公立高校から医学部に挑戦するというのは1浪2浪を覚悟して、現役でいければ超ラッキーみたいな感覚ですが、高2の夏の模試結果をポジティブに解釈すれば最低限、記念受験にはならないレベルの学力を身につけていると考えられます。

定期テストの1位に意味はありませんが、実は模試でも1位に固執する必要はありません。もちろん、とれないよりはとれたほうが良いのですが、五条高校といえどもトップ数人はかなりの学力があるので、模試で1桁に絡むことができれば基礎学力は十分で、あとは志望校対策次第で射程距離に入ってきます。

結局、大学受験というのはセンター試験と各大学の二次試験で得点できれば良いのです。たとえば英語の記述模試では文法、内容一致、和訳、英訳と色々な問題が出題されますが和文英訳のない大学を受験するのに英訳の問題を解けるようになる必要はありません。射程距離に入っているかどうかを確認できれば十分です。

数学のほうは、この時期までは高校の授業の進度どおりに青チャートを進めていました。Kさんの非凡な能力その3は、青チャートを自習で進められる頭の良さです。塾の授業では青チャートを教えていますが、Kさんの場合、授業はとらずに自習で青チャートを進めていました。それでもまだ余裕がありそうだったので、青チャートの次のレベルの参考書として一対一対応の数学を高2の夏休みか秋頃か、そのくらいに紹介しました。Kさんから数学の質問を受けたことはほとんどありません。もともとの頭の良さと、ずば抜けた勉強量が数学力を支えていたのではないかと思います。

高2の9月で英数とも学年でトップ5%に上りつめていましたが、年明けの1月の進研模試では、英語が偏差値70、校内順位が353人中12位(トップ3%)、数学が偏差値75で2位に上昇していました。 私が見たかぎりでは、一つの参考書を毎日コツコツと進めていただけのようにみえます。塾での2年間を通じてKさんにはブレがありませんでした。英語に関して言えば伸び悩む時期もありましたが、だからといって勉強方法を変えるということもありません。伸びるまで続けるという良いお手本だと思います。

自習によって学力をつけるというのも、お手本というか受験のセオリー通りです。週に2時間きけば学力があがる魔法のような授業なんて存在しません。そういう授業があったとしても、授業をきっかけにして自習を頑張れるから学力があがるのです。そして、大学受験においては、どのタイミングで、どの参考書を、どのように取り組めば学力が伸びるのかというのが昔から決まっています。これから受験をする高校生はそれを真似すれば良いだけなんですが、公立高校の生徒というのはそういう情報に触れる機会が少ないのが現状です。

五条高校の生徒が3年間しっかり勉強して国立大学医学部に現役合格した話 3

入塾当時のKさんの学力は、「学年最下位でした」なら面白いのですが、入塾面談のときには定期テストで最高360人中20位を取ったことがあると言っていました。五条高校のなかでは、結構頑張っていたほうでしょう。また、中学時代は実技科目に足をひっぱられていたようなので、五条高校生とはいえ主要科目にたいする知識と理解力は高いほうでした。

この記録を通して、「五条高校生ならビリからでも医学部を目指せますよ」と言う気はありません。五条高校生でもトップ1割(高2高3で8・9組)にいないと、無理です。(というか8・9組でも無理です。)

五条高校のなかでそこそこ良くても、実際の学力が高いとは限りません。手元に残っているこの答案を見る限り、英語は相当に改善の余地ありです。

 

f:id:sodeng:20170410211358p:plain(2015年4月16日の答案。ここからセンター192点は頑張った!)

 

公立高校生の英語学習の致命的な欠陥は、単語と文法の学習しかなく英語を読むための訓練がないという点にあります。どれだけ学校の勉強を頑張っても英語の偏差値が上がらない人は、学習が単語と文法に偏っていないか確認してみてください。

生徒の英語読解力を上げるために塾の授業では英語を読むための訓練、つまり英文解釈を中心に教えていますが、週1回2時間の授業では知識を網羅的に教えることができません。そこで、毎日の自習を充実させることが第一の指導になります。

Kさんには速読英単語(必修編)と、英文解釈の参考書を取り組んでもらうことにしました。英単語+英文解釈の二本立ての自習は、私の英語の指導の根幹なのでKさんのみならず生徒全員に取り組んでもらいます。ただ、生徒のレベルによって紹介する参考書が少し変わってきます。

この勉強がつまらないのか、1日1題ずつ参考書の勉強を進めてねと言ってもその通りにやってくれる生徒の割合は2割くらいで、悲しくなるくらい少ないのが実情です。しかし、Kさんの場合は非凡な能力その2である「とにかく素直」という性質によって、1日1題ずつ参考書をすすめてどんどん知識を吸収していきました。

Kさんの体験記にある(ない)ように、授業で私が彼に教えたことは多くありません。私は自習を大事にするように教えており、実力を確実につけてくれる参考書を紹介して自習を充実させます。その通りにやってくれれば学力がつくし、やらなかったらつかないという塾です。

新高2で同時期に入塾した4名のなかで最も成長が早く、7月頃には英語の和訳答案がずいぶん良くなってきました。それを示すように、夏休み明けの第2回全統模試(河合塾)では英語が偏差値64で学年318人中12位、数学が68で9位と、学年上位5%に入ってきました。

五条高校の生徒が3年間しっかり勉強して国立大学医学部に現役合格した話 2

合格発表直後に、Kさんに書いてもらった体験談をご紹介します。

僕は、学校の先生から「この大学に行きたいなら、定期テストで1位をとれ」と言われました。でも、定期テストと入試は関係ない気がしていたので、相伝のチラシにすごく共感しました。入塾前は、学校の課題をこなしていただけでしたが、入塾後は、自分で取捨選択して勉強できるようになりました。このことが自分の成績を伸ばしてくれたと思っています。勉強生活については、多くのテキストに手を出さず、同じテキストを何度もやる、睡眠はしっかりとる、学校に頼りすぎない、志望校の問題傾向を知っておく、ということが大切だと思います。最後に、学校よりも自分や、自分の選んだテキストを信じたほうが合格に近づけると思います。あと、僕は後期で受かったので、最後まで諦めないということが大切だと思います。

高2からの2年間が圧縮された良い作文をしてくれました。ありがとうございます。入塾から、振り返ってみたいと思います。

Kさんは新高2の春に入塾しました。入塾前、春期講習説明の面談では、「医学部に行きたい。高1の1年間は学校のテストを中心に勉強してきて、先生からは『医学部にいきたいならまずは定期テストで1位を取れ』と言われた」ということを言っていました。

blogでは繰り返し述べていますが、学校の定期テストと入試は完全に別のものです。定期テストというのは教科書の数十ページの短い範囲を要領よく暗記する能力を測るものである一方で、入試というのはとくに医学部などの難関大受験においては参考書数百ページを計画的に理解していく能力が求められます。一般入試で医学部に合格したいのなら、定期テストは無視して大学入試のための勉強をいますぐ始めるべきだ、という話をしました。

「医学部にいきたいならまずは定期テストで1位をとれ」というアドバイスは「甲子園にいきたいならまずは100mを10秒台で走れるようになれ」と言うのと、大差がないように私には思えます。

Kさんの場合、面談の数ヶ月前にはすでに定期テストにたいして懐疑的だったようですから、私の話はすぐに理解してもらえたのだと思います。 ちなみに、一番最初に疑いを持ったのはテスト中に、分からない選択肢の問題でア、イ、ウ、エのどれを選ぶか一生懸命考えていたときに「あれ、これで正解して1位をとっても入試にはつながらないんじゃね」と思ったときだそうです。なかなか、鋭い思考をしています(笑)。

Kさんにはいくつか非凡な能力がありましたが、高1の段階で学校の言うことを疑えたというのは振り返ると大きな分岐点でした。五条高校は教える側も、教わる側も高校の勉強方法にどっぷり浸かっていますから、そのやりかたに疑いをもてる生徒というのはおそらくかなり少数派です。クラス40人中、1人か2人程度しか存在しないのではないかと思います。

さらに幸運なことにKさんのお母様が私の折り込みチラシを見つけてくださいました。いまでこそblogを見てくださる人が毎日数百人いますが、当時のblogアクセス数は1日に20とか30で、そのほとんどが私と妻でした。blogを見てきたという人などいるわけがありません。先日、お母様から「チラシをみて先生のような人にみてもらえれば伸びるんじゃないかと思いました」と身に余るお言葉を頂戴しましたが、まだ生徒もいなければ看板もない私の塾に興味を持っていただけたからこそ、Kさんと私が面談をすることができたわけなので、幸運に感謝するほかありません。