月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

余白がなくなってしまってかわいそうに

仕事がら生徒が勉強という多くの人にとって最初は無味乾燥なものにやる気を出して取り組むようになる動機を、観察あるいは研究することが日常的なのですが、そのような動機というのは基本的には他人から与えられるものではなく自分で気づくことでしか得られないようです。

自分で気づく最も大きな要因は、将来にたいする投資として勉強を捉えるようになることです。

医者や薬剤師など将来実現したいことが具体的なことは勉強と将来を直接結びつけられますが、そこまで明確ではなくても「将来のために」と受験にたいして前向きに捉える時期がやってくる生徒もいます。

どうやったらそう捉えられるようになるかは、知りません。その生徒のみぞ知るでしょう。

他人にできることとしたら、何も言わないことくらいでしょう。

やることがあると自分で色々考えてみるという余白がなくなります。

極端な話、朝9時から夜9時までずっと授業を受けて勉強していたら「自分の将来ってどうなんだろう」みたいなことを考える暇がありませんが、全くやることがない日ならばぼーっと自分のことについて考える暇が生まれます。

「でもゲームばっかりしてちゃダメですよね?」

みたいな声が聞こえてきそうですが、それでもいいんじゃないですか。

そのうち、「こんなことばっかりやってていいのかな」と焦る時期が来ますし、そのままゲームにのめり込んで勉強ではない分野で花を咲かせるのかもしれません。

生徒の人生は生徒の人生であって、私の人生ではもちろんないし、学校の先生の人生でもなく、親の人生とも別物です。

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
http://www.sodeng.jp

アリバイづくり

2週間前くらいから「公園で遊ばないように」的なアナウンスがされています。

実際、こんな張り紙があります。

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激しいところだと、そもそも利用するなと。

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公園で感染多発というならまだしも、「あるかもしれないので・・・」という域を出ないのに過剰反応だなと思うんですが、万が一公園で感染が起こったときにこういうことをしておけば「一応、市としては利用を控えるように言ったんです!」と言えるわけで、アリバイ作りのようなものです。

でもアリバイを作る作らない、感染が出るでないで場合わけすると4通りの結末があって

(作る、出る)→アリバイあり

(作る、でない)→まあ問題なし

(作らない、出る)→責任問題になりうる

(作らない、出ない)→問題なし

であれば、アリバイは作っておいて損ないですから、合理的といえば合理的です。

学校の宿題とか補習も同じで、生徒が希望のところに受からなくても「学校としては、ちゃんと課題出したんです」とか「しっかり補習の時間を確保したんです」とアリバイを作れます。

本音と建前ってやつですね!

 

 

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教育なのに利益?

春期、夏期、冬期などの講習については原価、価値、相場のほか生徒の行動を刺激するかどうかということも考えます。

たとえば夏休みの間、毎日2時間×40日間の講習をやるとして、

・申込書なしでいつでも好きなときにきてOK

・申込書あり0円

・申込書あり10万円

の3つのどれが生徒の集中力を維持するか比べてみるとずいぶん差がでてくると思います。

まだ私のなかでぴったりハマる内容・価格の講習が定まっていないので毎年色々試しているところです。

ハマるというのは学力がつくのは当然のこと、プラス生徒の集中力が維持されて、保護者のかたにとって無理がない価格で、塾にとっては利益がでるものです。

儲かるとかいうとネガティブな感情を持つ人もいるかもしれませんが、ユニクロの安くてデザインも質もそこそこいい服が手にはいるのはユニクロが利益を出してそれを投資に回しているからであり、みなさんのお気に入りに飲食店が店内を改装して気持ちよく利用できるようになるのも同様に利益から投資に回しているからです。

「教育なのに利益?!儲け?!」などと反応する人がいますがそれは間違い。私は塾生が少しでも合格可能性を高められるよう塾のサービスを拡充していきたいと思っているし、塾生のみなさんもそれは同様でしょうし、保護者のかたは合格よりも受験にたいして打ち込むことを願っているかもしれませんが、生徒が頑張った分だけ学力として報われればいいとは思っているはずです。

昨年より今年、今年より来年、塾のサービスを向上するには投資に回すための利益が必要です。

 

売上が上がるとします。

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まずは家賃光熱費等、勉強する場所としての費用がかかります。

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授業をするための人件費がかかります。

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残った利益から、未来のための投資をしていきます。

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投資にも色々あります。机や椅子を新しくそろえたり、塾の教材を拡充したり、新しいサービスを作るためにスタッフの大学生に働いてもらったり・・・。

それらは直接自分が受け取ることもあればサービス化されるのが1年後でそのときに自分はいないかもしれません。

でもだからといって損というわけではなく、すでに今の塾のサービスは2年前、3年前の月謝から生まれた利益から投資されてつくりだされたものですから、払わずして得ている分があるのです。

お金を払った、対価が戻ってきた、という直線を行き来するモールス信号のやりとりというよりは、過去から未来へとグルグル回る塾の循環に2年なり3年なり参加するイメージですかね〜。

 

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価格の決め方3点

新しいサービスをつくるときに内容そのものを設計するのと同じくらい難しいのが価格設定です。

価格設定には3つの観点があります。原価、価値、相場です。

原価というのはサービスを提供するのにあたってかかる費用のことです。塾のサービスでは原価といえば塾の家賃や光熱費などの固定費のほかは人件費がメインです。サービスにおいて人が動くというのは原価を押し上げる要因になりますが、かといって教えるということは機械に代替できるものでもないので、結局いいサービスを提供しようと思ったら原価は上がります。

価値というのはサービスを受ける側にとってどの程度の価値があるのかということです。コンサートで最前列の席が5万円で、後ろのほうは1万円みたいな価格設定がありますが、1席あたりの原価は同じだが価値が違うので価格が異なる例の一つです。塾でいえば、同じ教室の同じ椅子にたいしても、面談時の椅子として使うのか、授業のなかの一つの座席にするのか、勉強しやすい自習室の椅子にするのか、さらに集中できる合宿の椅子なのかによって、価値が変わります。

相場というのは似たようなサービスがある場合に、いくらくらいなのかを考慮することです。似たサービスがない場合、あるいはあまり比較検討されない場合には考慮する必要がありません。私の場合は「塾でかかる費用といえばだいたいこのくらい」というイメージをもってその範囲で価格を考えますが、これも相場の一種です。あとうちの場合は妻の一声というものがあって妻の言う「安すぎ」とか「高すぎ」という意見も結構取り入れます。サービスを作るときにはかなり視野が狭まっていることもあるので、無責任ではない第三者の視点は視野修正に役立ちます。

だいたいこの3つを考えながら価格を決めていきます。

 

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あんまりわからん

保護者のかたの満足度について昨日は適当に想像してみましたが、実際には私にはあんまり分かっていません。

子供が家でガリガリ勉強してる姿をみるだけで安心する人がいるのも事実だし、その上コッコウリツに受かれば文句なしと思う人もいるのでしょう。一方で、「勉強より大切なことがある」と思う人もいます。

志望校に受かって気持ちよくご挨拶に見えるかたもいれば、浪人することになってもお世話になりましたと挨拶してくださるかたもいます。

通塾中、勉強面以外でもお悩みのこともあるだろうと思って最近は保護者のかたとの接点も持つようにしていますが、それによって生徒の家庭環境が多少でも良くなればと思ってのことであり、保護者のかたの満足度自体を目的にはしていません。

中高生は親にであれ先生にであれ肯定されるより否定されやすい環境にいるように見えます。塾での受験勉強生活を通じて若い人が自己肯定感をもちその後の人生でいろいろチャレンジできるようになればいいと思います。生徒に何か相談された場合にまずは生徒の考えを実現するやり方を考えるのはそのためです。

未来がいくらでも変化しうる高校生に焦点を当てることは、もう未来がほとんど決定されてしまっている保護者世代に注目するよりもはるかに有意義です。

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