月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

理想状態なら受験なんて簡単

道徳の教科書の中の世界観と違って、現代社会は基本的には生まれながらにして人生がイージーモードかハードモードか決まっている不平等状態です。その中でも大学受験は金持ち有利とはいえ、まだマシな競争です。たとえどんなに金持ちで有名講師を家庭教師につけようとも、本人が勉強しなければ学力はあがらないし、逆に参考書一冊をかうのが目一杯でもその参考書を何回も繰り返し自習したら学力は上がります。

100万円払って学力が上がらない人がいる一方で、1000円の参考書で学力を上げる人がいるというのが大学受験の世界です。毎月5万円かかる塾にいけなくても、2000円払えばスタディサプリで十分な授業を受けられます。

スタディサプリと定番の問題集で受験勉強をするなら年間10万円もかからずに万全の受験勉強を進められます。でもこれは物理で言う「摩擦抵抗を無視」するような理想状態での話。現実には学校生活という抵抗や自分自身の内部抵抗がありそう簡単にはいきません。

度々blogで書いていますが

・青チャートの繰り返し5回演習

・英語はシス単basicの900語+英文解釈の勉強

で大学受験の数学と英語はずば抜けてできるようになります。

でもチャートを5回繰り返す前に学校の問題集をやりたくなってしまうし、英文解釈の勉強をする前に学校の宿題をやりたくなってしまうのが高校生の基本的な性質です。学校のテストは赤点すれすれでいいからとにかく受験勉強をするんだ、という高校生はなかなかいませんし、たとえそうしようとしても親が心配になって「テスト勉強しなさい」と言ってしまいます。これらは学校生活の抵抗、家庭の抵抗と言えます。

一方で内部抵抗すなわち高校生自身の抵抗というのは、自分で勉強のやりかたをアレンジしてしまうということです。

青チャートを5回解いているうちに

・簡単すぎるからプラチカに変えよう

とか

・青チャートの前に、まずはクリアーを解こう

みたいな感じで、当初の方針からズレてしまいます。たぶん、多くの高校生は青チャートをやろうと決めても2週間続かないでしょう。自分で考えて判断することはいいことといえばいいことなんですが、受験勉強みたいに半年~1年かけて結果が出るようなものについては、指導者の言うことを半年~1年だまって信じて取り組むものです。

 

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
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金持ちに分配

総理大臣が替わって、「経済成長」がどうとか「分配」がどうとか言っていますが、大学の分配ほど高所得者ひいきなものもなかなかないでしょう。

大学の運営交付金は東京大学を100とすると名大でさえ40を下回り、三重大や岐阜大で14です。

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https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20201117-mxt_hojinka-000011109_3.pdf

 

教員数も東大を100としたときに名大は約50、三重大岐阜大が15程度です。

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教員数については絶対数だけでなく教員数/学生数の比も重要な指標になりますが、この比も基本的には入試難易度の高い大学ほど良い値になります。

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https://sakoi.info/2021/07/09/per_teacher/



大学の運営予算の財源は地方税らしいので、県民税として私たちが納めている税金は、入試難易度の高い大学に傾斜されて使われていることになります。

そのような大学に入学して手厚い教育の恩恵を預かるのは、幼少期から塾などにお金を使って手厚い教育を与えられる家庭に育った子である割合が高いことを考えると、庶民から平等に集めたお金を金持ちの子どもに分配しているということになります。

こんなことを言うと、「管理教育高校から塾なしで京都大学に受かった例もあるぞ!」とかいうことを言う人がいそうですが、毎年何十万人も受験者がいたらそうやってお金をかけずに超難関大学に入るような素質の極めて高い学生は一定数いるに決まっています。私が言いたいのは、同じ素質のレベルの高校生を100人集めて、50人は塾や予備校で手厚く指導して50人を高校の指導で勉強させたら、前者のほうがより高いレベルの大学に受かるでしょうっていうことです。

でも国としてこのようにしっかり傾斜をかけているというのは、とても良いことだと思います。東大の学生にしっかりお金をつかって教育したらいくらでも成長していきそうですが、誰でも入れるような大学の学生にお金を使ってもほとんど効果がないでしょう。

私の塾だって、高校入学までにそれなりに教育にお金と時間をつかってきたご家庭のお子さんを預かっているから、たった2-3年の指導で学力を上げていけるわけだし。

 

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267,900円

大学の後期の授業料の支払いが完了しました。

267,900円です。これを6で割ると44,650円です。残念ながら経費にならず自腹ですが、それでも勉強できる内容を考えると激安です。

国立大学は全国どこでも授業料が一緒なので、同じ学費なら教育施設や在籍している先生、そして一緒に学ぶ同級生の質が良い大学に行った方がいいと思うんですが、先のことを見通して貴重な時間を勉強に費やす高校生は少数派です。

そういう少数派の高校生を応援していきたいです。

 

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文法問題やりすぎ

塾の役割の一つとして時間配分の最適化があります。

たとえば入試配点が

英語:数学:理科=200:400:400

の大学を受験するとしたら、勉強時間の配分は

英語:数学:理科=2:4:4

を基準として考えていきます。当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、これが案外

国語:英語:数学:理科=2:3:3:2

みたいな意味不明な配分になっていることは珍しいことではありません。

普段塾ではあんまり細かく毎日の自習メニューを提示することはありませんが、合宿のときには志望校の入試科目と配点を元に、一日のメニューを示します。合宿に参加したことが無い人は、また今年の冬にやるので是非参加してみてください。

 

高校生のよくある時間配分の間違えとして「英語の文法問題をやりすぎ」問題があります。英語は受験生のほぼ全員が使う主要科目なのに、ひたすら文法問題の勉強ばかりして伸び悩む高校生が多いです。

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この手の文法問題は高校生が思っているほど読解力に結びつかないので、私はおすすめしません。実際に、理系の生徒には「やらなくていい」とまで断言しています。

こんな問題をやるくらいなら青チャートの数学の問題を1問でも多く解いた方が入試の総合点は高くなるでしょう。

 

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バランスとれてる?

もともと私は国立二次のレベルまで英語&数学を教えられるという点で指導者としてはそれなりに優秀で、他の人には出来ない「バランスをとった受験指導」が出来ます。さらに昨年は自分自身で

共通テスト6科目(英、国、数、地理、物理、地学)

二次試験5科目(英、国、数、物理、地学)

の受験科目で名古屋大学に受験して、共通テストから二次試験までのバランスの取り方を実体験で学習しました。

この特技を活かすと、「数学がヤバイ」という生徒に「いやむしろまずは英語をどうにかするのが先」といったように、バランスをとった指導ができるようになります。高1で入塾する生徒はあんまり優先順位をつけないでも時間が十分にあるのでそこまで心配いらないのですが、高2の後半〜高3にかけてギリギリで入塾する生徒の場合はそのような判断が必要になるケースが多いです。

世の中には理系なのに古典の宿題を1日に1時間もやる人がいくらでもいます。そういう人は、勉強の時間配分を変えるだけでも結果が変わります。

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