最近は高1、2とも解釈のルールについてある程度教え終わったので、ルールをもとにどんどん英文を読んでもらって定着するという授業を2ヶ月ほど続けています。英文を読む際には、英和辞書を利用してもらっています。
電子辞書か紙の辞書かという議論は終わることのないテーマかもしれませんが、どっちも一長一短でしょう。大学受験で使うのであれば、動詞の用法(直後に名詞がくるか、to-がくるかとか)などの文法事項が調べやすいというのが条件になってきますので、そうなると調べやすさ・見やすさで断然紙の辞書ということになります。好きな小説を英語の原著で読んでみたい場合は電子辞書などでさくさく読み進めればいいんじゃないでしょうか。
授業中に辞書を引いてもらう理由の1つは、文中の意味を押さえるためです。辞書にはたくさんの意味がのっています。haveやtakeなど多義語の場合は1-2ページにわたることもあります。
授業で渡された英文中における意味を的確にとらえるためにも、辞書のなかからもっとも近い意味を探して意味を考えるという作業をとりくんでもらうわけです。
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単語の意味は前後関係(=文脈)が大切であり、前後関係で覚えるべきだと私は考えています。
センターや二次試験のように限られた時間で英語を読む場合には、単語の意味に悩む時間はあまりありません。ということはhaveやtakeといった多義語だけでなく、ほとんど全ての単語で「その英文中における意味」を瞬時に判断する必要があるのです。この能力というのは数ヶ月勉強して身につくものではありません。1年や2年かけて徐々にみについてくるのです。
ではその瞬時の判断をどのように習得していくのかというと、それは単語を英文まるごと覚える他にありません。こういう理由で、1. absence 不在 2. absorb 吸収する・・・のようにaから1つ1つ覚えるような辞書的な単語帳は使うべきではありません。これはやればやるだけ、単語の意味を固定的に暗記してしまうため英文の理解の妨げになります。もっと英文まるごと覚えるような単語帳、もしくはそれに準ずる方法で暗記していくべきです。
たとえば模試で出てきた英文のなかで、単語の意味が曖昧にしかわからなかったものについてはその英文まるごと抜き出してノートにストックしておいたり、同じように学校や参考書で出てきた英文についてもその前後関係で暗記していくことが重要です。
しかし高校で採用されるのは往々にして辞書的な単語帳です。これはその単語帳が優れているからではなく先生が単語テストやりやすいからです。大人の都合に振り回されないようにしましょう。