月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

見るに堪えない

ちょうど1年前くらいに五条・西春高校について婉曲的にボロクソに書きまくったころは、「こんな高校にいくくらいなら新川でも行ったほうがマシ!」と思っていましたが訂正です。頑張って少しでもレベルの高い高校にいきましょう。

この1年間、入塾に至らないケースも含めて体験入塾というものを多数実施しましたが、そこで一つの特徴に気づきました。

五条西春未満の高校生の勉強面における水準が極めて低いということです。

最近の記事で「五条"高校"はクソだが五条"高校生"は良くも悪くも周囲に流されて勉強しているので勉強の習慣があり教えやすい」と書きました。体験授業中に「これとこれを来週までにやって」というものをある程度やっているし、入塾後も頑張っています。私の塾の五条・西春高校生というのは「学校の勉強で学力が上がるのが疑わしいから塾に来た」というケースが多く、そういう生徒は元々勉強をしていたがだんだん学力が落ちてきたと自分で考えていて、そこでうちの塾にきて正しい勉強方法を教わったら「これならいけそうだ」と思ってまた勉強に身が入る、たぶんそういうサイクルになっているのだと思います。

五条・西春より上、一宮西や一宮についても同様です。

しかし、五条・西春より下になると様子が一変します。

中途半端にゆるい高校で中途半端に勉強をやる高校だから、自己評価が低くはない。しかし、かといって勉強をするわけでもないという生徒が多いのです。

なんとなく学校で「コッコウリツ」という言葉をきいて「僕も/私も三重岐阜くらいなら頑張ればうかるんじゃねーかな」くらいに思っていて、一方でそれに見合った勉強はほとんどしていない。たしかに三重岐阜大学というのは偏差値でいえばそこまで高くはないし、なんとなく受かりそうな気がしてしまう大学ではありますが、こういう大学に現役で合格できる生徒というのは五条・西春高校でも上位3割程度なんです。

一宮西高校の生徒ですら自分の実力を考えて三重岐阜を第一志望にして受験勉強を頑張っています。五条・西春・一宮西の生徒ですら頑張ってやっといけるかもしれない大学なのに、それ未満の偏差値の高校の生徒が中途半端な覚悟の勉強で合格するはずがありません。

もちろん「塾に通ってから気持ちを入れ替えて頑張る!」というケースもあると思うので、それなら良いのです。それなら良いんですが「今の学力から、あなたの志望する大学をまじめに目指すなら今日から平日一日10時間、休日12時間は必要だ」と伝えると「えっ・・・そんなに出来ません」みたいな反応をするのはまったく解せません。たいして勉強せずに大学に合格する方法が、ひょっとしたらこの世に存在するのかもしれませんが、私は知らないので相伝学舎では教えられません。

「(10時間は勉強できないので)もう少し低いレベルの大学を志望するならどうですか(勉強やる時間が減りますか)」という質問を返されたこともありました。

「京都大学に行きたい」という高い目標を語っていた徒は、現状の学力を考えたら4-5年はかかりそうでしたが、現役で行ける道があるとしたらこれだろうという指導を体験授業で実施しました。そうしたら2回目くらいで来なくなりました。身内の不幸か、勉強量が多すぎて嫌だったのか、単に私の指導がショボすぎて行く価値なしと判断されたのか・・・謎のままです。

だいたい、以上のような中途半端な気持ちのまま塾に入ってもらったら毎月数万円の月謝が無駄になるだけで、保護者は金の無駄遣い、生徒は時間の無駄遣い、私は結果が出ない生徒の指導でやはり時間の無駄遣い、と誰も幸せになりません。

勘違いしないでいただきたいのですが、たしかに私は五条西春一宮西等の宿題・補習の嵐の大学受験勉強にたいして否定的であり優秀な生徒には自由にさせて好きなように勉強させるべき、という考えをしています。しかし、これは「勉強しなくてよい」と言っているのではありません。勉強をするのも自由、しないのも自由という校風のなかで「圧倒的に勉強する」というのが美しいと言っているのです。

もちろん、月謝をいただいて勉強方法を教えているので塾にきてくれれば効率的な勉強が出来ます。しかし、効率的な勉強であってもそれがたった毎日2時間とか3時間ではどこの大学も受かりません。圧倒的に効率的な勉強を、圧倒的な量で毎日実施できるから難関大学を受験する資格を得られるようになるのです。倒すべき相手は隣の席のショボい同級生ではなくて、全国のどこかにいる超優秀な高校生なのです。

塾の生徒には大量の時間を勉強に費やせとよく伝えています。東大でも早慶でも心の底から「行きたい」と思っている塾生には「木村の言うくらい必要なんだろう」と理解してもらっているのだと思いますが、受験をなめているその辺の高校生には「おまえがスパルタじゃねーかよ!」と思われるでしょう。

難関大学を目指しているのだからスパルタに決まっているだろ。しかし、私がやることは最低限やらなければいけない分量を伝えて発破をかけるまでで、勉強していないからといって居残りで勉強をやらせることはないし、ましてや入塾直後以外は宿題も出しません。あくまで、自分自身でスパルタになれというのが方針です。

塾生も全員が私の言った分量をやりつづけるわけではありません。中には周回遅れの生徒もいます。しかし、「遅れてるんじゃないの?」くらいしか伝えません。最終的には彼/彼女の人生だから自分で責任を負ったら良いのだし、目指す大学に受かるべくして生まれた生徒ならそのうち自分で気づくでしょう。強制的に目を覚まさせるよりも、自分で目を覚ましてもらったほうが後の加速が良いに決まっていますし、彼ら/彼女らの目指す大学は他人に背中を押してもらって受かるようなショボい大学ではないので、どちらにせよ自分で目を覚まして加速し始めてくれないことには志望校に届くはずがないのです。

 

この世は等価交換で成り立っています。

東大という学歴が欲しい、フェラーリが欲しい、絶世の美女と付き合いたい、何を望むにしてもそれらが天から降ってくることは何億年生きてもありえません。望むものに見合う価値や努力をあなたが差し出せたときに、初めて交換してもらえるのです。

良い大学に行きたい、けど勉強はそんなにしたくない。

という生徒に教えられることは当塾にはありません。

 

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp