スパルタ高校所属の高校生のみなさん、どの科目の先生も「予習をやって、復習をしっかりやれば大丈夫です」って言うけど全科目そんなことやってる時間ないわ!って思いませんか?
英語の先生なら英語のことしか興味がないし、国語の先生なら国語のことしか興味がないからこういう無責任なアドバイスがまかり通ってしまいます。理系の生徒は国語の漢字や要約、古文に毎日1時間かける価値ありませんし、文系の生徒が化学基礎に毎日1時間時間を割くなんて自ら不合格を目指すようなものです。
さて、表題の数学も当然のこと「しっかり予習して、復習すること」と世の中の多くの先生は言うかもしれません。もちろん予習と復習をする時間があればその通りにやれば良いですが、実際にそうできる人は少数です。そこで、予習をやめて復習に徹してみて下さい。
予習というのは一瞬だけ数学を独学するということですが、中学の数学ならまだしも高校の数学を独学するというのは私を含め多くの凡人にとっては困難です。予習をやめて授業を集中して聞きましょう。予習をしないよりは理解しづらいかもしれませんが、その分復習で理解できればOKです。それで、その復習を何度も繰り返してみてください。
数学は1度聞いて分かった気になり、自分で解いてみてもう少し分かった気になり、3度目で完全に理解したと思い込んで、4〜5度目でようやく問題の意図することがわかり定着する、このくらいの意識でやればすぐに数学は得意になっていきます。
「予習しないと、思考力が養われないじゃないか!」
と言う人もいるかもしれません。たしかに自分で考えるという時間は減りますが、高1〜高2にかけて基本的な例題を暗記するというのは作業のようなものです。たとえば二次関数の最大最小の問題は、平方完成して頂点を求めて端点を考察して文字があれば場合わけをして・・・という作業になりますが、これは最初は「こういうもの」として覚えてしまって、作業として取り組んでいくなかでその意味がだんだん分かってくるものです。これを思いつけるようになる、というのはよほど数学と相性の良い人ではないと無理でしょう。入試の数学とは発想力がなくても解法を知っていれば解けますし、発想力が求められるのはごく一部の入試問題です。
解法の組み合わせとしての発想力という意味では、難関大学受験者には広く求められる能力ですが、そういう発想力は高3で入試演習をするときに養えば良く、わざわざ解法暗記ステージである高1、高2のうちに「この問題はどう解くのだろう」と30分も1時間も考える必要はありません。予習するにしても各問題5分考えることができれば十分です。
数学に限らず世の中には「やったほうが良いもの」が腐るほどありますし、そういう「やったほうが良いもの」というのは「やるべき」と考えがちです。みなさん自宅にあるテレビのリモコンをみてください。全てのボタンは「あったほうが良いもの」かもしれませんが実際に使うボタンはその中の半分程度じゃないでしょうか。DVDプレーヤーのリモコンとなるとほとんど不要でしょう。
やったほうが良いもののなかで本当に意味があるものは、自分が思っているほどは多くないのです。