先週、第一志望が私立大学の生徒から「センターって受けたほうがいいんですか」という質問をもらいました。私立専願の場合、正直受けるとしたら思い出づくりという感じになります。
よくある誤解
・センター試験で私立大学も出願できるじゃないか
その通りですがセンター利用私立は、国立大出願者がセンター試験を受けるついでに滑り止めとして出願するもので、たとえば名大くらいを受ける受験者なら南山大学のセンター利用に出願しておさえておくとか、東大受験者が早稲田のセンター利用でおさえておくとか、そういう扱われ方をします。したがって、南山大学を第一志望とする生徒がセンター利用で出願するのは馬券を買うようなものであり、早稲田大学を第一志望とする生徒がセンター利用で出願するのは宝くじをかうようなものであります。センター試験がたまたま知っている問題ばかり出たら、受かります。
・試験慣れ出来るじゃないか
センター試験で試験なれしなくとも、たいてい第一志望の大学のまえには何個か滑り止めの入試を受けているものなので心配するに及びません。というか、第一志望は試験なれしようがしまいが、誰でも緊張します。なので、第二志望以下の入試にたいする試験慣れという意味合いになってくるのですが、案外第二志望以下の入試は模試と変わらない感覚で受験できる生徒も多いので、センター試験そのものが試験慣れとして効果を発揮する生徒の割合はおそらくそこまで多くありません。
一方で、受けないことでメリットもいろいろあります。
・センター対策をしなくても良い
数学の誘導の乗り方とか、国語の問題を解く順番とか、英語の時間配分といった、センター試験のための勉強をする必要がなくなります。
・体調管理に気をつかわなくても良い
冬の寒い日、とくにセンター試験の日はやたら大雪になる印象が強いのですが、そんななか数十人、数百人が一部屋に収容されるので私立専願なら風邪をうつされるリスクをわざわざとらなくても良いです。
・センター試験に時間を拘束されなくてよい
科目数を絞っても二日間会場に通う必要があるので結構時間を奪われます。また、それなりに集中するので翌日まで疲れが残ることもあります。
それに対して、受けないことのデメリット(受けることのメリット)って・・・。「思い出づくり」以外に無いですよ。
でも、センター受けませんなんて学校に行ったら大反対されますよ。生徒の第一志望なんてどうでもよくて、コッコウリツ合格者数を一人でも多く稼ぎたいというのが本音ですからね。