子供が勉強しないことにたいして「勉強しなさい」と言っても勉強するようにならないどころか、逆に勉強したくなくなるという、全国で風邪と同じくらい頻繁に報告されている問題があります。
こんな表が作られるくらいです。
「勉強しなさい」よりも効果的!?な、子どもの学習意欲を高める関わり方|ベネッセ教育情報サイト http://benesse.jp/kyouiku/201203/20120322-1.html
「東大にいく方法」的な本を読めば、東大生の多くは、「勉強しろと言われたことはほとんどない」と書いてあります。
では、庶民がそれをまねして「勉強しなさい」と言わなければよいのかというと、そう単純な話ではないと、最近考えています。
「梅が咲いたら桜が咲いた」と聞いて、どう思いますか?梅が咲いたから桜が咲いたんじゃなくて、梅が咲いた程度に気温が高くなったから、その後桜が咲いたんじゃないかと冷静に突っ込むでしょう。「梅が咲く」と「桜が咲く」は、相関関係があっても、因果関係がない例です。
それと同じように、「勉強しなさいと言わなかったら、勉強をした」というのは、相関関係があっても実は因果関係は薄いんじゃないでしょうか?
「勉強しなさいと言わない親の家庭で育ったから、勉強をした」と表現を改めたほうが、現象を正確に理解できるでしょう。
親が一生懸命働いていて、成長意欲があってヒマがあれば読書や勉強をしている家庭で育てば、子もそれが普通だと思って勉強しろと言われなくてもある程度勉強するようになる、という因果関係が背後にあるのです。たぶん。
こう考えると、勉強しなさいと言う親の家庭で育っている子に勉強しなさいを言わなかったら勉強し出すのかというと、そうなるとはとうてい思えません。だからといって、勉強しなさいと言ったら言ったでとくに中高生はやる気を削がれるだけなので、ある年齢を超えてしまったらもう親に出来ることは何もないように見えます。
「子供が勉強しない原因は家庭にあり」と言うのはあまりに受け入れがたいし、あまりに角が立つ仮説なので声高に言う人はいないと思いますが、歯に衣着せぬ木村ブログ的には一応書いておきました。