インターネットって便利ですけど、調べたら何でも分かっちゃうので逆に私たちが失っているおもしろみもあると思うんですよ。
普通、勉強ってちょっと教科書や参考書を読み進めたら「これどういうことだろ?」という疑問が出てくるじゃないですか。たとえば物理をやっていて「等速円運動の加速度 a=rw^2」「速度v=rw」とあるけど、どうやって導くんだろうか?とか。化学をやっていて、K,L,M殻っていうけどどうやって確かめたんだろうか?とか。英語をやっていて、given Aという表現の意味はどうやって解釈するのだろうか?とか。
この辺って、インターネットで「等速円運動の加速度の証明」とか「電子殻の発見」とか「given A」で調べたら、たぶんすぐ答えが出ると思うんですが、それやっちゃっていいのかな?ダメだよな、というのは常々思いますね。だから私は勉強で分からないことは調べずに自分で考えて、手元の参考書や辞書を全部調べてみることにしています。学者ではないので、自分で調べて人類の発見をして嬉しい、というのはもちろん無いのですが、文献による発見という、二次的三次的な発見であっても、調べて発見することはそれなりに嬉しい。でも、インターネットで検索して分かるというのは「調べる」というよりは「聞く」に近いんです。それだとあまりおもしろみは感じられません。
昔の人は「なぜ特定の気体中でモノが燃えやすくなるのだろうか」とか疑問に思って、酸素や窒素を発見していたわけですが、現代を生きる私たちにとっては、同じ疑問は中学校の理科の教科書が解決してくれてしまいます。あるいは、インターネットで「燃えやすい気体とは」で0.5秒くらいでgoogleが検索結果を返してくれます。
でも、一瞬で答えを手にいれると同時に、失っているものもあるのです。