塾も高校も入試にむけて勉強を教えていますが、似て異なる存在です。
比較する切り口は2点あります。
1 指導のスタート地点の違い
どちらも勉強を教えますが、塾は「入試で点を取るためにどうしたらよいか」が出発点であるのに対し、学校は「高校卒業の単位を与える」というのが出発点です。
入試で点をとれれば扱う参考書はなんでもいいわけで、私の場合は市販の参考書から効果の高いものを選びますし場合によっては自分で教材を作ります。生徒の学力によっていくつかの選択肢を持っているので、基礎的な参考書を取り組んでもらう場合もあれば発展的なものを紹介することもあります。わざわざ教科書を使うことはありません。また、単位を与える必要がないので定期テストもありません。
2 生徒への向き合い方の違い
これは保護者の方に本当に良く知っていてほしいのですが、いわゆる管理教育校は生徒を受験のタマ(=弾)としか見ていなくて、いかにしてコッコウリツ合格者数を稼ぐか、言い換えれば自分のところの合格実績しか考えていません。
その例として、生徒が私立専願にするため勉強科目を3科目に絞ろうとすると「センター利用受験(今後は共通テスト利用受験)で必要」とかなんとか適当なことをいって勉強科目を維持しようとしてきますし、センター終了後(共通テスト終了後)にはこれまで考えたこともなかった知らない大学を「ここなら受かる」とかいう理由ですすめてきます。
もっと下品な例もあるんですが、それは追々紹介します。
一方塾は、というか私に関しては生徒がどこの大学を目指そうとどこでもいいです。生徒の人生の主役は生徒自身ですから、その主役がやりたいことをサポートすることしか他人には出来ません。
塾にも合格実績みたいなものはありますが、私自身がコッコウリツ大学について特別な魅力を感じていないのでどうでもよいと思っています。それより生徒たちが全力を出し切って悔いなく受験を終えられることのほうが大切だし、入塾前の自分には想像できなかったほど勉強をするようになったとか、考え方が変わったとかいうことのように実績には表現されない変化を経験できるかどうか。
行動力さえあれば今の日本社会というのは生活するのに楽しすぎるので、将来卒業生たちが自立して生きていけるよう少し成長できる場でありたいと思います。