「西高東低の冬型の気圧配置」ってどうやってなるか気になりますよね。
本日はこれの説明です。
西高東低の、「西高」。
これは「にしこう」と読んで一宮西高校の略ではなくて、西にある高気圧のことなのですが、日本列島の西側にあるのはユーラシア大陸です。
そこから冬場にやってくる高気圧というのはシベリア高気圧です。
寒ーいロシアで冷えた空気が発達して、日本海を渡って日本にやってきます。
なぜロシアで空気が冷えるか?
理解のために鍋でお湯を沸かす準備をしてください。水は2LくらいでOKです。
できましたか?めんどくさい人は、想像してもらえればokです。
まずコンロに火をかけてください。
1分くらいたったところで水に手をつっこんでみてください。
まだ全然暖まってませんね。
では、鍋の側面に手をつけてみてください。
火傷しましたか?熱いですよね。
このように、水は熱しやすく固体は熱しにくい性質があります。冷やすときも同じで、水の方が冷たくなりにくく、鍋はすぐに冷たくなります。
冬になるとユーラシア大陸の内陸部は一気に冷え込み空気が冷たくなります。一方で、海(=水)に囲まれた日本は内陸部ほどは冷たくなりませんし、日本の背後にある太平洋は尚更です。
空気は冷たくなると密度が高くなり、空気がパンパンになります。
パンパンな空気を高気圧といいますので、こうやってシベリア高気圧が完成します。
シベリア高気圧はパンパンでやる気マンマンですから低気圧にむかって「おめーどこ中?」と言わんばかりに威圧してきます。
人間でも高圧な人が低姿勢な人にたいしてオラつくように、風も高気圧のところから低気圧のところに吹きます。
では西高東低なら、西側の高気圧から東側の低気圧へと「西風」が吹きそうなものですが、実際には冬場の風といえば?
そう、北風ですよね。北から風が吹いてきます。
これは地球の自転が影響していて、風は自転の影響を受けて進行方向右側に曲げられてしまいます。ハンドルが中心からずれた自転車を運転していると思ってください。まっすぐ運転しようとしてもどうしても右に行ってしまいます。
西風が右に曲げられたら、北風になります。
この力はコリオリの力と呼ばれています。コリオリの曲げる力と高圧的な態度の高気圧の力がつりあうと、北風になったあと曲がることはありません。
さて高圧な態度のシベリア君は日本に近づいてくるときに日本海を渡ってくるのですが、まだ暖かい日本海(というかそもそも対馬海流はデフォルトで暖かい)からは水蒸気がガンガンでているので、日本海を渡り終えたころには水蒸気をいっぱい含んだ状態で日本列島に到着します。
日本列島に到着すると日本海側にはずらっと山脈があり、そこを登るときに雲になり、雲になると中で氷が形成され、雪になって日本海側で雪が降ります。
誰が見つけたのかしりませんが、地球上の現象はこうやって理屈で説明できてしまいます。もちろんまだ分からない物も多いのですが、1000年前に生まれたらこのような仕組みを理解して感動するということもなかったわけですから、イイ時代に生まれたと思いますね。