月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

名大農学部でキツかった実験

再び、当塾で生物を担当している村中先生に名大農学部での様子を教えてもらいました。

今回は「キツかった実験」というテーマです!

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大学生になると、授業の一環として実験をするようになります。 実験は楽しいものも多いですが、中にはキツイと感じるものもあります。そのうち、今回はせっかくなので農学部の実験のうちからキツイものを選んで紹介したいと思います。

実験では1つのテーマとして、遺伝の実験を行います。遺伝の実験では基本的にはショウジョウバエを用いて行うことが多いです。

なんでハエを?と思うかもしれません。その理由としては1世代の期間が非常に短い。染色体の数が少ない、というものがあります。

どういうところがキツかったのか、というとまず1つは大量のハエを数えるという作業です。

遺伝学実験は、その目的として遺伝子がどのように遺伝しているのかを調べるということです。この実験では、ebonyと呼ばれる遺伝子がゲノムに入っている個体とそうでない個体がいます。ゲノムというのは生物が2つもっている遺伝情報のことです。ゲノムのうちの片方が精子もしくは卵に入ることで、子は親とは違った遺伝子を持つようになります。そして、ebonyという遺伝子は個体の2つのゲノムの両方に入っているとハエの体が黒くなるという特徴があります。



実験ではこのようにオスメスと遺伝子を様々な組み合わせで交配させます(F0が親、F1が子供、F2が孫、[+]が普通の色、[e]が黒色のハエを表しています)。

ということで、黒いハエと普通のハエの数を数えることで、数の比からebony遺伝子がどのように遺伝するのかということがわかるようになります。

 

普通のハエ(上)と黒いハエ(下)

 

上図の私の結果では数百匹のハエを数えることになりましたが、数が多いので大変でした。ハエに嫌悪感を持つ人はかなりしんどいと思います。

2つ目のきつかったところとしては、ハエを麻酔しないといけないということです。 実験でハエを黒色か否かで分けた後に交配をさせる工程があります。つまり、殺して分けるということは出来ないので麻酔となる空気を入れて分けます。麻酔が効きにくい個体とかもいるので、しっかり麻酔しないとハエが分けている間に解けて逃げてしまうということが発生してしまいます。1回それをやってしまったのですが、ハエを戻したり外に逃げないように殺したりと大変でした。かなりトラウマです。

キツイこともありましたが、予想した実験結果と同じ結果が得られたときは嬉しかったです。実験にはキツイこともありますが、楽しいことも多いです。

大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
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