そろそろ私の地球科学の押し売りにウンザリしている人も多いと思うので、今日は当塾で生物を担当していただいている名大農学部2年の村中先生に「農学部」とはどんな学部か教えてもらいました。
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今回は農学部について、少し紹介したいと思います。
さて、突然ですが農学部とは一体どのようなことを学んでいる学部なのか分かりますでしょうか。農学と聞くと、例えばこのトマトはこう育てるとおいしくなる、とかそういうことを思い浮かべる人もいるかも知れません。
そういうところを扱わない、ということはないのかも知れませんが、実際にはもう少し科学に近い内容を扱っています。
例えば、生物体はDNAという物質を持ち、遺伝子という設計図のようなものを持っています。そして、その遺伝子はアミノ酸を作り、さらにアミノ酸が集まってタンパク質という物質を作ります。
タンパク質は体のいたるところに存在し、生きていく上で重要な役割を果たしています。体中に酸素を運んでいる赤血球もタンパク質です。
そのようなタンパク質を血液などから分離して、調べることで体の仕組みがわかります。
私の所属する学科では、学部2年生の実験で実際にタンパク質の分離法などを行います。イオン交換クロマトグラフィーと電気泳動という方法で分離したのが下の写真です。
写真だけ見てもよくわからないと思いますが、いろいろ読み解くと下の写真のように左に書いてある4種類の内の3種類のタンパク質が分離出来ている、とわかります。
このように、生物について研究をしていくのが農学です。ちなみに、理学部の生物系となにが異なるかというと、
あるタンパク質の性質をとことん調べていくのが理学部で、
あるタンパク質を使ったら農作物が丈夫になってたくさん収穫できるのでは!?
という風に実利を求めていくのが農学部だと私は考えています。
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実験の様子は興味深いですね!内容は全く分かりませんが、生物について科学的なアプローチで理解しようとしているところは分かりました。理系に所属していて、化学や生物に興味がある人は検討してみると良いかもしれません。多くの場合、数学はIAIIBで受験できます。