月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

卒業生による愛知淑徳中高・金城学院中高の比較(校風、性格、難易度、進学先)

とあるツテで、愛知淑徳中高、金城学院中高、の卒業生に両校を比較してもらうことができました。

これからこれらの中学校に受験する人は参考にしてください。

 

愛知淑徳高校

場所

愛知淑徳中学校・高等学校は地下鉄「星ヶ丘」駅  3番出口より徒歩5分の場所にあります。中学と高校は同じ敷地内に設置されています。

施設

淑徳は校舎の入り口に一般的な下駄箱のようなものがありません。まず初めに登校したら、下足のまま教室まで向かい、各教室の後ろに設置されているロッカールームでローファーから上靴に履き替えます。

プール2つ(屋内と屋外)アリーナ3つ 武道場1つ テニスコート2つ 運動場があります。実際に体育の水泳の授業では屋内のプールを使います。屋内プール使用不可の場合は屋外プールを使用しますがめったに屋外プールを使用することはありません。(卒業するまでに1回使用するか、使用しないか程度)また、体育館に冷房がついていないため、夏は暑いです。冷房の代わりとして大きめの扇風機はあります。

また、淑徳には学食があるので、学食で昼ご飯を食べることもできます。

マラソン大会

マラソン大会は全学年で行われ、各学年で順位を競います。高校周辺(平和公園)に4㎞のマラソンコースが設けられ、制限時間は30分というルールが定められています。各学年で順位を競いますが、スタート地点に全員が一列になって並ぶことが不可能なのでマラソンは校庭の周回からスタートします。マラソンコースの半分に差し掛かった所で、淑徳グッズのハンカチが教員から渡されます。(なぜハンカチが配布されるかは不明。走っている本人的には邪魔)

1学年がスタートし、ある程度時間が経過した後に次の学年がスタートします。予備日は2日用意されていますが、予備日に実施されたことはほとんどありません。

2023年からは会場がモリコロパークになりハンカチ配布はなくなりました。マラソン距離は約4kmで制限時間は45分です。45分切れない場合は、学校のグランド22周(?)とかいう課題が設定されるとかされないとか・・・。でもかなりゆとりある制限時間なので、途中で歩いてもクリアできるそうです。

球技大会

球技大会は中学1年はバスケットボール、中学2年から高校3年はバレーボールを行います。中学2年からずっと球技大会ではバレーボールが行われているため、バレー部がいないにも関わらず、3段攻撃と呼ばれるバレーの基本的な攻撃で本格的なラリーが続けられ白熱した試合を見ることができます。球技大会前のクラス練習は朝練(7時くらい〜)、昼休み、放課後と続きます。淑徳の子はバレーボール愛が強いです。

体育

冬の体育の授業では校舎の裏側にある裏山の坂道でランニングを実施します。体育に関する授業や行事のレベルが高いため、運動が苦手な生徒はきついです。ですが、運動が苦手な生徒でも確実に体力がつきます。

論文

高校1年でA4で30ページの論文を書きます。論文の内容は自分で決めることができ、興味のある内容の論文を書きます。

修学旅行

修学旅行は中学生は沖縄、高校生は九州に行きます。修学旅行では他校と比較すると多くの戦争に関わる箇所を巡ります。実際に沖縄ではガマの中などを見学し、当時の状況を知る機会が多く設けられています。

修学旅行の日時未定事件

ある年の修学旅行で、出発当日台風で交通機関が乱れたため出発時刻が未定のまま当日を迎えたことがありました。翌年は保護者のかたが学校側に強く働きかけたこともあり、改善しました。保護者の監視力の強い金城では、このようなずさんな事件は考えにくいです。

文化祭

文化祭はクラスごとにテーマを決めて展示発表を行います。展示発表は各クラス学習に関する展示発表を行います。また、ほとんどの部活は高校2年生で終了します。

いじめの有無

先生にばれないようないじめがされるので、問題が表面化しにくいです。

勉強

英単語帳は昔からユメタンを使用していましたが、2022年から速読英単語に変わったようです。中学生は英語の授業でNEW CROWNを使用します。だいたいテストごとに2〜3課ずつ進みます。

高校以降のクラス編成

2年次に文理分けを行い以下のようなクラス編成がされます。

理系

β:1クラス

α:3クラス(更に物理選択と生物選択でクラスが分かれる)

文系

β:1クラス

α:3 or 4クラス(その年の人数によって異なる)

βは理系、文系に各1クラスずつあり成績上位の生徒が集まります。但しβの生徒は指定校推薦は受けることが出来ません。そのため、αに行くかβに行くかは希望を出すことができるので、推薦をもらうためにあえてαに在籍する生徒も多く見られます。

1組、2組、3組、4組、5組、6組………とクラス分けがされており、理系β、理系α、文系β、文系αの順に1組からクラスが構成されています。

更に理系αは物理選択と生物選択でクラス分けが行われます。

※ 高2 β →高3α

  高2 α →高3β  のようなクラス移動は可能です。

中学入試難易度

国語 50分 100点 

選択問題と記述問題がバランス良く出題

算数 50分 100点 

前半 比較的簡単な単純計算が多い

後半 図形の問題が多く見られる

理科 25分 50点    幅広い分野から出題

社会 25分 50点  選択問題が大半を占める

 

同級生の性格

責任感を持ち自立している生徒が多いです。別の言い方をすれば、プライドが高く、負けず嫌いで、体育会気質です。頭が良いので同級生どうしの会話はスムーズ。強気な子が多いので、もともと芯の強い子ではないと入学後苦労しそうです。

 

先生のキャラ

恩師となる先生もいれば、反対のケースとなる先生もいます。個性が強い先生が多いです。そのため、生徒によって合う合わないがあると思います。淑徳は私立の中でもどちらかと言えば公立高校の雰囲気に似ている印象があります。

 

進学実績

2023年度 現役  卒業生264名

国公立大学合格者合計69名

京大1名 名大7名 阪大2名 神戸大2名 筑波大1名

名市大8名 愛教大3名 愛知県立大2名  名工大3名 岐阜大1名 三重大4名 

私立大学合格者数782名

慶応義塾大学9名 早稲田大学9名 上智大15名 青山学院大21名 上智大15名 明治大13名 立教大15名 東京理科大7名 同志社大39名 立命館大73名 関西学院大8名 南山大81名 名城大59名 

ほとんどの生徒が愛知淑徳大学に内部進学はせず他の大学を受験します。

早慶の指定校推薦枠があるため、推薦枠争いはライアーゲームさながらの情報戦が行われます。いかにしてライバルを諦めさせるかのしたたかさが必要。

 

金城学院高校

場所

周辺地図

金城学院中学校高等学校ホームページより引用

 上記の地図のように中学と高校の校舎は別々の場所に設置されており、他の私立と異なり中学と高校が併設されていません。

交通手段として、

① 地下鉄+バス

②地下鉄 高岳駅から徒歩15分

③瀬戸線 尼ケ坂駅から徒歩約5分

④バス通学

⑤自転車通学

等の上記の手段が考えられ、実際生徒は多くの交通手段を利用して通学しています。多くの生徒がバスを利用しているため、市営バスor名鉄バス(名古屋駅、栄、名古屋城前、清水口、白壁 停留所)は金城生でほとんど埋まり何本かバスを見送らないと乗車できません。特にテスト期間は一斉に全学年が下校するので市営or名鉄バスに乗車するのに40分程バスの停留所に並ぶ必要があります。

また、他校と比較して中学校と高校の距離が離れているため中学生と高校生の接点は姉妹が高校or中学に通っている もしくは 中高合同で行う部活に所属しない限りほとんどありません。

校風

 保護者に対する連絡等が手厚く、優しい教員が多いです。内部進学で金城学院大学に入学する生徒がほとんどなので多くの部活が高校3年次の最後まで行います。金城ならではの授業や特徴をいくつか下記に記載します。

 1つ目は中学校の音楽の授業でヴァイオリンの演奏方法が学ぶことができる点です。小学生や中学生の間に習い事等で習っていない限りヴァイオリンのような弦楽器を弾く機会はめったにないです。授業で学ぶことができる期間はある程度限られていますが、ヴァイオリンを触ったことがない生徒でも楽器に触れることができる貴重な機会を経験することができます。中学校では学校にヴァイオリンが配備されているので授業で1人1台楽器を持ち演奏することができます。(高校の音楽の授業では教科書に沿って音楽の歴史を勉強するのでこのような楽器を弾く機会はないです。)

 2つ目は「聖書」というキリスト教の授業が設けられている点です。金城がキリスト教の学校であり、宗教行事を大事にしています。そのため、親御さんが金城出身、もしくは姉が金城に通っていたという環境ではない限り、キリスト教の学校であることを授業や行事で身をもって体感するため驚かれる方も一定数いると思います。中学入学時に聖書と讃美歌の本を2冊買います。普段の学校生活では毎朝礼拝を行い一日が始まります。また一日、礼拝という日を設けクリスマス等の宗教行事を中学校、高校別で講堂に集まって行います。聖書の授業ではキリスト教の歴史について学びます。中学、高校と定期試験では土地の名前や聖書に記載されている人名、聖句が問われます。加えて春、夏、冬の長期休暇では教会の礼拝に参加し礼拝の内容を書く課題が出されるので、金城に入学するとどこかの教会に必ず行くことになります。(中学生のみ)教会といってもカトリックとプロテスタントの2種類の教会があるのでどこでもいいというわけでなく金城の生徒はプロテスタントの教会にいく必要があります。入学後、最初は聖書の授業があることや教会の礼拝に参加しなければならないことに驚きがあるかもしれませんが、高校卒業時点では礼拝等の宗教行事に慣れる生徒がほとんどです。

 3つ目は高校で遠足や修学旅行の他に芸術鑑賞会というイベントが設けれている点です。芸術鑑賞会では年によって異なりますが、御園座に歌舞伎を見に行くことが出来ます。また、芸術鑑賞会の他に修学旅行では中学生は広島県、高校生は長崎県等に行きます。中学生は修学旅行での宿泊先の夕食で食事のマナーを学びます。また高校生の修学旅行ではハウステンボス内のホテルに泊まります。またハウステンボスでは恒例の夜のイルミネーションを楽しむことができます。

 4つ目は中学、高校ともに立派なパイプオルガンが設備されている点です。金城に入学すると普段触ることや目にすることのできない大きなパイプオルガンを演奏することができます。礼拝で演奏する生徒を学校で募集しているので生徒でも演奏することが可能です。最近では中学校が校舎の建て替えを行い校舎が綺麗になりました。中学高校どちらも校舎の中にステンドグラスが張られているので綺麗です。

 5つ目は体育祭についてです。体育祭は愛知県体育館で行います。淑徳のように学校内で全校生徒が入り競技を行うことができる程の校庭の広さがないので2日間愛知県体育館を貸し切って行われます。1日目にリハーサルを行い、2日目に本番を行います。体育会気質の淑徳と比べると、体育祭はお遊戯会レベルです。

高校では廊下に南京錠タイプのロッカーが設けられています。

淑徳のようには学食はないですが、500円弁当が学校で販売されています。

いじめの有無

いじめはありますが淑徳と比べて先生にもばれやすいいじめをするため、問題が表面化しやすいです。問題が発覚した場合には、当事者親子が呼び出され対処されます。高校進学後は2コース、3コースではほとんどいじめはなさそうです。(1コース:内部進学、2コース:外部進学文系、3コース:外部進学理系、後述。)

愛校心

中高一貫校女子校のなかで金城のユニークな点はOBのつながりが強い点です。金城には「みどり野会」というOB会組織があり、卒業後の交流機会があります。愛校心が強いため寄付金も集まりやすく、学校の運営資金に余裕がある印象です。

勉強

中学1年生の長期休みに英語を筆記体で書けるようにするという課題がでます。筆記体の課題が出されてからその後の定期試験は全てブロック体ではなく筆記体で書く必要があるため、中学1年で筆記体を書けるようにする必要があります。(高校では定期試験では筆記体の指定なし)

高校1年で化学基礎を学び、3コースに進学した生徒は高校2年で基礎なし化学を全て習得します。物理は高校2年で物理基礎を学び、そのまま物理選択を希望した生徒は高校3年の11月頃に基礎なし物理を終えます。また生物基礎は高校1年で学び、生物選択を希望する生徒は高校3年で基礎なし生物を学び、こちらも物理と同様に共通テスト前までに授業が終わります。3コースの生徒の多くが生物、物理を予備校に通って学校の授業よりも先に習得し終え受験に望みます。

また、1コースでは外部受験がないので、英語の他に第二言語の授業が設けられています。第二言語には中国語、フランス語、ドイツ語が設けられています。

 

中学入試難易度

金城は中高一貫校の女子校の中で入試日程が早いです。

愛知県内女子校中高一貫校の入試日程は以下の順で行われます。

金城→南山女子→淑徳、椙山(同日)

南山女子の入試が終わった後に淑徳と椙山の入試を同日に行います。

 

金城受験生の出願パターンはおおまかに二つあります。

・パターン1(金城が滑り止め)

南山女子や淑徳を第一志望としており、受験慣れの機会として一番入試日程の早い金城を受験する。

・パターン2(金城が本命)

金城を第一志望としており、第2希望として椙山・聖霊を受験する。

 

このうちパターン2のほうが入学後では多数派で、わずかに存在するパターン1の生徒とは学力差が大きいです。一方、愛知淑徳は入学者が南女第一志望、淑徳第一志望のどちらかになりますが、入試難易度は南女と淑徳で大きく変わらないため、中学入学後の学内での学力差が小さいです。

滑り止め、入試慣れの機会として金城を受験する生徒にとっては数学・理科・社会は比較的簡単に感じられ、南山女子・淑徳を受験する前に合否が分かるので自信がつきます。一方で、金城の国語は他の他校と比べて独特であるため、過去問対策をしておく必要はあります。しかし、最近の入試では詩・短歌俳句の単独出題が無くなり、同時に物語文の字数が増えており傾向が変わっています。

また、金城の入試では面接があり、面接では保護者も同席して行います。当日全ての受験生が面接を行うため、待ち時間が長くなります。そのため出願を早く行い、早い受験番号を取っておくと早めに帰宅することができ、今後の入試日程への勉強に支障が小さくなります。

国語 50分 100点 長文1題 詩・俳句1題

詩・短歌・俳句からの出題が例年見られるがこの形式は他の私立中学にはあまり見られず独特である。近年この傾向が変わった可能性あり(過去問分析する必要がある)

算数 50分 100点 例年5題構成

大問1と大問2 小問集合  大問3以降 応用問題

理科 30分 50点

社会 30分 50点

 

2019年から金城学院中学校では入試上位200人に対し奨学金制度を設けており以下の

スカラーA 四科入試1位~50位の受験生

      入学金全額と授業料・施設設備費の半額相当額の給付

スカラーB 四科入試51位~200位の受験生

      入学金全額の給付

が行われています。

 

同級生の性格

姉妹で金城に通う家庭が多く、また母校愛が強い生徒が多いです。コースによって性格が異なり、外部受験のコースには真面目な生徒が多い印象です。大半の生徒が中高大とエスカレーターで進学しそのまま就職していくため、他校と比較して外部受験を見据える生徒は少ないです。

金城の生徒は淑徳の生徒とは異なり圧倒的な努力量で理解力のスピードを補い学力をあげている印象があります。外部受験で第一志望に合格する生徒の多くが高1から塾に通い地道に勉強を続け合格をつかみ取っている印象があるので、自分の努力次第では金城から行きたい大学に進学することも夢じゃないです。

 

高校以降のクラス編成

2年から以下のように1コースと2コースと3コースに分かれます。

1コース:内部進学

2コース:文系外部受験(※約40人)

3コース:理系外部受験  (※約60人)

※年によって異なりますが、このくらいのイメージです。

1コースでは、ほとんどの生徒が内部進学を利用し金城学院大学に進学します。

ほとんどの生徒は金城学院大学に進学する一方で、協定校の推薦や指定校推薦で外部の大学に進学する生徒もいます。

指定校推薦では青山学院大、上智大、立教大、明治大、同志社大、立命館大、南山大等の枠があります(年によって多少変化あり)。但し1コースから狙うことができる指定校推薦と協定校推薦枠は文系の学部のみとなっています。

慶応義塾大学や早稲田大学の指定校推薦枠は来ていないので早慶への進学を希望する場合は一般受験で頑張って淑徳や南女を目指す必要があります。

 

2コースには文系の外部受験を志望する生徒が集まります。2コースには私大文系狙いがほとんどであり、文系国公立大学を希望する生徒は少ないです。指定校推薦枠は2コースからも狙うことができますが、内申点は1コースの方が取りやすいです。

 

3コースには理系の外部受験を志望する生徒が集まります。内部進学の生徒で金城大学の薬学部に進学したい場合は3コースにいる必要があります。2コースと比較して3コースは私立大学受験と国公立大学受験希望が半々ぐらい います。生徒の志望先として国公立大学の工学部や農学部、国公立大学、私立大学の医歯薬等が挙げられ、ほとんどの生徒が塾に通っています。

 

 

進学実績

2023年 

金城学院大学進学175名

国公立大学合格者数(過年度卒業生も含む)15名

東大2名 東京都立大1名 名大3名 名工大2名 名市大1名 愛教大1名 岐阜大4名 阪大2名 岡山大1名 九州大1名 滋賀医科大学医学部1名 奈良女子大1名

私立大学合格者 88名

慶応義塾大学2名 早稲田大9名 青山学院大6名 上智大1名 立教大3名 東京理科大4名 学習院大2名 同志社大9名 関西学院大5名 立命館大25名 南山大36名 名城薬10名 愛知医科大医学部医学科4名 その他の医学医学科4名

 

 



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