数学が暗記かどうかは学力のステージによって異なります。
勉強のやり始めは、ほとんど暗記物といって良いです。
各種定義を覚え、定義から導かれる公式とその導出手順を覚え、解法のパターンを覚え・・・
覚えることだらけです。
定義というのは、
cosθ「単位円周上に点Pをとり直線OPとx軸のなす角をθとしたとき、点Pのx座標とする」
とか
等差数列「An+1-An=(一定)となるもの」
とか、こういうルールでやりましょうというもの。ここはしっかり覚えないと話にならないのですが、普通に独学している高校生はまず覚えてないですね。
公式とは、正弦定理、余弦定理、判別式、2倍角3倍角半角、和→積・積→和、などおなじみの公式で、これらは公式そのものを覚えるのと同時に、どうやってそれらを導くのかの手順も覚えてください。
なぜ導出手順が大事かというと、公式の意味が分かって面白く感じられるのと、導出手順そのものがよく問題を解くのに使う変形や発想で汎用性があるからです。有名なところだと等比数列の公式の導出を利用する問題がよく出題されます。
解法パターンは青チャートとか一対一対応の演習にのっている問題とその解き方です。これらの問題集は難しいと思う人も多いですが、受験数学においてこれらの問題はあくまで「難問を解くための引き出し」ですので、問題を見た瞬間にパッと解法が思い浮かぶようになってないといけません。
暗記といっても数学の場合は一字一句を覚えるというのではなくて、答えを出すまでの過程の要所要所を覚えることを指します。
たとえば「最高次数に文字がついていたら話が大きく変わるので場合分け」とか「確率の問題は同じものも取りあえず区別する」とか「接点が与えられていない微分の問題では接点をx=tとおく」とかです。
その他にも「ルートの中身が二乗のときは?」「判別式とは何を判別してくれる?」といった一問一答的に覚えておくべきものもあります。
授業でもこのあたりを覚えているかしっかり確認しながら教えていきますが、一回指摘されたことはちゃんと覚える努力をしてください。
メモしておいて帰宅後もう一度解いてみるとか、指摘されたことはノートにまとめておいて週に一回読み返すとか、そういう草の根的な活動が必要だと自分で判断して行動にうつしていかないと、いつまでたっても覚えられません。