確率の問題なら、どの大学に合格する可能性も1/10で同様に確からしいとき、受験する大学を増やせばそれに比例して少なくとも1校合格する確率が高まりますが、実際の入試はそう単純ではありません。
まず、以前から繰り返し述べているとおり大学受験とは偏差値競争ではなくて入試当日の得点競争であり、志望校の赤本を対策できた順に有利になる競争です。
受験生にあたえられた時間は全員等しく、時間は有限です。
かりに赤本対策に100時間が用意できるとして、10校受験するとしたら各校に割ける時間は10時間ですが1校なら100時間です。10時間なら1〜2年分といて終わってしまいますが100時間あれば8〜10年くらいできるかもしれません。
また、大学を1校受験するのにほぼ丸一日が必要ですから、仮に第一志望が同じ大学の2人の生徒がいて、私大を含め10校受験する生徒と本命1校しか受験しない生徒を比べると、さらに9日分も志望校対策をする時間に差が生まれてしまいます。
このように、受験する大学は単純に多ければよいというわけではなく、志望度合いや対策にとれる時間をよく考えて判断しなければいけません。