月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

値引きして下さいの裏に潜む本音?

病院の待合室でついていたテレビをみたら、百貨店かなにかで芸能人たちが年末に関する食品の買い物(荒巻鮭とか)をしていて「読者プレゼントのために値引きしてもらえませんか」と各店にお願いするという下品きわまりない企画をやっていて大変不愉快になりました。「値引きしてほしい」というのは言い換えれば「あなたの商品には値札についているほどの価値を感じないから下げてくれ」ということでしょう?

それで芸能人のかたがたも700円の商品を500円に値引きさせて、「えぇそんなに?!」とか白々しくリアクションしているわけです。見ていて吐き気がしました。

値引き交渉はそれが小売店とか流通相手であれば、まあ分からなくもないような気がします。メーカー(あるいは問屋)からモノを仕入れて売る小売業というのは、安く仕入れて安く売ることを優位性にすることがあるからです。「安い」=「仕入れが上手い」という褒め言葉の図式が成り立たなくもないかな、という感じ。

家電量販店はメーカーに大量発注して安く仕入れて、安く販売するというのが競争上の強みになるじゃないですか。正直、店員さんの接客がいいとか悪いとかあんまり関係無い。欲しいテレビはパナソニックの50型で、ビックカメラとケーズデンキとエディオンを比較して一番安かったところで買おう、くらいの感覚で買い物しますよね。量販店もそれが分かっているから「他店より1円でも高ければ相談ください」と言うわけです。

でもこれが、同じ小売業でもこだわりのセレクトショップだったら値引きしてくれというのは失礼になりますよ。東京に行くたびに訪れる食器屋さんがあるんですが、全国の作家さんたちから陶磁器を買い付けていて、そこにおいてあるものは全てセンスが良いので私に食器選びのセンスがなくてもいつも良い買い物ができる。そのセンスを拝借する代金が価格に含まれているわけですから、それを「安くならない?」というのは「値段のわりにあんたのセンス微妙やねん」といちゃもんをつけるようなもんでしょう。

直接生産者から買う場合は言うまでもありません。

私が仮に「月謝高いから安くして」とか言われたら、うるせー帰れおまえに売る授業はねーよ、くらい言って追い払った後、塩を10kg買って塾の玄関にまきますね。


清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp