月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

判断基準を決める

先日、日本代表の試合でポーランドに0-1で負けているにもかかわらず、そのまま0-1でまけてもグループリーグ2位で決勝リーグ進出する可能性が高いという判断から、日本が時間つぶしをしたことにたいして、巷では「賛否両論」だそうです。

賛成派の人は「決勝リーグに進出できることが大事なのだから賛成」

反対派の人は「同時刻に行われていたセネガル-コロンビアで、セネガルが1点とっていたら日本は敗退だった、何考えているんだ」というのと「最後まで攻め続けるべき」的なという意見みたいです。

ここでは話を単純にするため、両者の意見は

賛成派「決勝リーグに進出するのが大事」

反対派「スポーツ選手として最後まで諦めない姿勢を持つことが大事」

というものだとして、「残り10分の時間つぶしをしたほうが日本にとっては決勝リーグ進出の可能性が高かった」と仮定します。

これは小論文や自由英作文でもよくある話で、小論文なら「あなたはどう考えるか」という出題になるし、英作文なら「賛成か反対か立場を明らかにして、それを指示する理由とともに100語程度でかけ」となります。

軽いノリで書くと、賛成派の作文は「スポーツ選手云々より、勝負が優先」ということを書くのだし、反対派の作文は「勝負も大事だが、スポーツ選手としては負けを認めるのは容認できない」となりますが、もちろんこれだとどちらも説得力がありません。言いたいこといってるだけになっちゃいます。

では、どうするかというと「議論にあたっては判断基準を考えよ」ということを私は教えることにしています。

賛成の意見、反対の意見、それぞれ書いていたらいつまでたっても平行線ですが、誰もが納得できる判断基準を論じることができれば説得力が増します。

たとえば・・・

 

 そもそもワールドカップにでているのは職業としてサッカーをしているプロの選手であり、プロの選手はワールドカップの賞金や、スポンサーからの広告費でお金を稼いでいる。ということは、ワールドカップを勝ち進めて賞金を稼ぐこと、そしてなるべく多くの試合に出場して露出をふやし広告費を稼ぐことが優先である(ユニフォームにKIRINとか書いてあるじゃないですか、ああいう広告のこと)。よって、日本代表は勝ち負けそのものや、勝ち方どうのこうのよりも、「なるべく多くの試合に出場して、なるべく高い順位でワールドカップを終える」ことが最優先になる。これを基準とすれば、最後に時間つぶしをして決勝リーグ進出を確かなものとしようとした行為にたいして、私は賛成である。

 

みたいにして書けます。小論文だとこれくらい書いた方が良いでしょう。英作文は、言いたいこと言うだけでもまあまあの点になると思います。

 

清須市の大学受験 相伝学舎
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