月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

強制することはありません

当塾は生徒数がそんなに多いわけではないわりには、学年で底辺層だった生徒がまあまあ上位に復活するとか、上位層だった生徒がさらにてっぺんまで上がっていくとかいう学力up劇の数は多いと思います。

もちろん世の中の逆転ストーリーの多くが裏にカラクリを持っているように、当塾でもそういう復活をするためのカラクリがあって、それがたとえ非人道的(?)であっても自分のやるべき勉強だけに集中するという手法です。

結果が出るというプラス面を持っている一方で、学校との軋轢が生まれるというマイナス面もあります。毎年「先生に嫌味を言われた!」とか「担任に補習を休みたいといったら次は学年主任と面談になった!」という相談を生徒からもらっていて、そのたびに「嫌味言われるって受かる人の通過儀礼やで」とか「親に書面を書いてもらうか、面談のときに言ってもらうといいで」などとサポートしていきます。

そういうやり方を合理的だと思う私みたいな人もいるし、逆にそんなことを生徒に入れ知恵するなんてありえないと思う人もいるでしょう。

どの手法を選ぼうとも、プラス面とマイナス面は必ずあります。全てにおいて100点満点の手法などありません。もしそんなものがあるなら、それが主流になっています。どの家庭にも洗濯機がありますが、それはそれを使わないより使ったほうが100点満点に近い満足度を得られるからです。

私はギターを弾くのが好きですが、世の中のミュージシャンのほぼ全員が使うギターなど存在しません。ギブソンを使う人もいればフェンダーの人もいる。私はIbanezとmusicmanを愛用していますがIbanezなんて邪道だと思う人だっているでしょう。ストラトキャスターをジャズコーラスにつないでクリーンな音を出したい人と、IbanezをMesa BoogieにつなげでV字EQのドンシャリハイゲインを出したい人がわかり合えるはずがありません。というかお互い分かりあいたいと思っていなくて、オレはオレだしそっちはそっちだよねくらいにしか考えていないと思います。

受験勉強のやりかた、大げさにいうと教育のやり方も人によって見ている最終ゴールが違うので、そのためにとる手法が大きく異なります。最終ゴールが違うのでわかり合えるはずがありません。

生徒と先生の「補習休みたい」「絶対だめだ」が、常に平行線をたどるのは見ているゴールが違うからです。本来わかり合えないしわかり合う必要もないから、学校の先生は補習を休みたい生徒にたいして「それがいいと思うならそうしたら」で済ませて欲しいのですが、なぜか強制してくるのでその点は本当にウンチだと思います。

教育というのは「自分がどうなりたいか」あるいは「子供にどうなってほしいか」というゴールの数だけ最適解が存在します。異なるそれぞれの解がわかり合うというのはありえないし、わかりあう必要もありません。

宗教みたいなものだと思います。私のことを信じてくれる人にとっては高校のやり方が地獄のように思えるし、逆に高校のやり方を信じている人にとっては私なんてクソ塾講師くらいにしか見えないはずです。でも、そんなものです。

私はみなさんに私の考えを強制することはありません。客商売やっている身として致命的かもしれませんが、そこまで他人の人生に興味がないのです。でもそんな私でも「数学できひん助けてくれ〜」という高校生が当塾に来ると可愛いので、頑張って教えます。


大学受験 相伝学舎 (清須校舎、桜山校舎)
http://www.sodeng.jp