月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

先取りとか後戻りとか

正直中学生を教えて先取り学習するなんて簡単なんです。公立にせよ私立にせよ、学校の進度が速いということがない上に内容が平易なので、教える手間さえ惜しまなければ先取らないほうが難しいくらいです。

でも「先取り」って何でしょうか?

もちろん「先取り」という言葉は学校の進度に対して速いという意味の相対的な表現です。大学入試なんて先取り競争みたいなものなので、相対的な指標であっても少しでも先取りしようと頑張ることには大きな意味があります。

一方で教える側からすると「先取り」というのはあまり本質的な表現ではありません。一人の中高生を指導して大学受験の合格を目指す場合、大切なのは先取りすることではなくて入試で得点を取るために基礎から丁寧に理解していくことです。

入塾時点である程度基礎があれば話は別ですが、基本的には学習状況にムラがあることがほとんどです。その場合は「先取り」ではなく「後戻り」して教えていくことになります。

たとえば英語を教え始めるときにはほとんど全員の生徒に対して「形容詞と副詞の違い」から始めて、「前置詞の役割」「接続詞の役割」など文法の土台を教えていきます。これは学校の進度に対しては「後戻り」と見えるかもしれません。しかし入試の得点を高めようと思ったらこの後戻りに見えるコースこそ、適切な学習コースになっています。

受験勉強って他人との比較じゃないんですよ。自分だけに焦点を当てて昨日より今日、今日より明日学力が上がっていくことに集中すべきです。そしてそれを実現するための勉強が客観的に見たら「先取り」になっていたり「後戻り」になっていたりするだけのことです。

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