月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

アンバランスな学習環境

中1から高3まで英語を教えていると

・中2なのに高校生レベルの英語(高2くらい)も精度よく読める人

・高3なのに中学レベルの英語が読めない人

いろいろです。

数学の場合はこういう逆転現象は少ないです。

言語能力は育て方によって急成長するのかもしれません。もちろん、もともと日本語の能力が高い人を私が教えているというのもあると思います。

英語のカリキュラムは中学生にとって軽すぎて、高校生にとって重すぎます。

中学生にとって軽いと、英語を精読する練習をする機会がなくなります。定期テストまでに教科書本文を覚えてしまって、訳す練習ができません。その結果、

・単語は覚えた

・文法もなんとなく覚えた

・和訳の練習は全くしていない

という超アンバランスな学習環境が完成です。

そして高校になって一気に単語のレベルと文章のレベルが高くなって、「実は英語が読めない自分」に初めて気づきます。中学の英文は内容が平易で当たり前すぎるものしかないので、英語が読めてなくてもだいたいストーリーが想像できて読めてしまいます。

主人公が海外留学にいったり留学生とふれあって日本や海外の文化の素晴らしさを学ぶ、くらいありきたりな話しかなくて、どうやって読解力を身につけられるでしょう?

「質量には重力質量と慣性質量がある。重力質量は万有引力によってものがどの程度引かれやすいかを表し、慣性質量は力を与えたときにものがどの程度加速しやすいかを表す」

くらい抽象的で、話の流れや結論がわかりにくいものではないと英語を読む訓練になりません。

とにかく中高生の英語学習環境はいびつです。