月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

志望校に関するアドバイスのしかた

志望できる大学が多岐にわたる大学受験では、どこを目指そうかというのが一つのテーマになります。塾で教えている生徒は、入塾前から明確に目標をもっている生徒もいれば、そうではない生徒もいます。

目標あってこその努力だと思うので、まずは志望校を明確にすることから始めます。一年生だと志望校の前に文理区分を悩むこともありますが、将来のざっくりした方向性を考えたり、私のカンで「文系っぽい」とか「理系っぽい」でアドバイスすることもあります。6年間営業職で様々な業界、規模の会社と付き合ったのでだいたいの日本の仕事の様子とそこで働く人々というのが頭に入っています。なのでカンといっても無責任なカンではなくて、そういう経験から判断するものです。

将来の方向が決まっていない生徒の場合、可能性を狭めない選択であることも大切です。人生の豊かさは人生の岐路でとれる選択肢にあると思うので、大学に進学してやりたいことが明確になったけど自分の大学からは進めない、とならないように考えます。

志望校のランクもよく考えなければいけません。その生徒の現時点の学力と、入試までに残された時間から考えて、ギリギリ届くか届かないか、入試当日うまくいけば受かるかも、くらいのレベルを提案しています。私が現実的と思って提案しても「えー難しいですよ」と言われてしまうこともありますが。

現実的すぎる目標を立てることには私はあまり意味を感じません。自分自身を成長させることでやっと届くかもしれないという目標に向かって努力する過程で、多くのことを学ぶのであり、それこそが本当の意味の勉強です。英語とか数学は勉強というよりは少々頭を使う暗記です。

基本的には生徒の志望校を引き上げることが多いのですが、たまに生徒のほうが「ここにいきたい」といって、そりゃ目標高すぎるんじゃないかと思う大学を伝えてくれることもあります。

そんなとき、一瞬「無理」という単語が頭に浮かびますが、すぐに消えてしまいます。私が無理だと感じてしまうのは私の経験が狭いからであり、全国に探したらそういう成功事例は絶対にあるはずだと思うからです。なので、私の経験では成功事例をみたことがないが、成功する道のりは必ずあるはずだからそれを考える、という方向に切り替えます。

生徒からは「先生や親には無理だと言われます」という話はよく聞くのに、その逆はほとんど聞いたことがありません。私も、肯定されるより否定されるほうが多かった気がします。肯定されたのは記憶の範囲では一度だけで、高1のときの担任に「早稲田か慶應に行きたい」と言ったら「いけるんじゃねえ?行くなら慶應がいいぞ」と言われたときです。そのときの学校内順位は下位10%くらいでしたから、この人本気でそう言ってくれてるのか?テキトーか?と疑いつつも、頑張ればいけるのかもしれないと思いました。

目標を高くすれば必ず受かるというわけではないのですが、目標を持たないと可能性はいつまでも0パーセントです。目標を持てば、0%が1%になります。その上で適切な努力をすれば1%が5%や10%に育っていきます。これが生徒本人の感覚として33%くらいまで育てられれば結果はどうであれ努力の過程としては成功と呼んで良いと私は思います。

誰もが0%だと思うことを0%ではないと思うことが、人生の幅を広げ、場合によっては社会の幅を広げるのではないでしょうか。

清須市の大学受験 相伝学舎
http://www.sodeng.jp