目の前の1問を解いて、レベルの高い大学にいって就職して安定した生活を得ようというわけではありません。そういう時代は私が就活をした10年前にはもう終わり始めています。
今日も、富士通で間接部門の5000人が配置転換するというニュースがありました。
富士通が5千人配置転換、合わなければ転職提案(読売新聞) - Yahoo!ニュース
高校生にはイメージつかないかもしれませんが、会社というのは営業してモノを売ってアフターサービスをして、という直接お客さんとやりとりする仕事のほかに、会社で使うパソコンをどうするか決めるとか、売上と支出を計算するとか、会社をまわすことを担当する仕事もあるのです。そういう仕事をする部署を間接部門といって、このニュースによると間接部門の人が営業とかエンジニアにさせられるという話です。
間接部門というのはようは会社のコストですから、そういう仕事はできる限り少なくして売上をつくる営業とかお客さんにサービスを提供するエンジニアが多いほうが良いに決まっています。間接部門の5000人を配置転換するというのは、ようは本業が苦しくて間接部門を養ってられないから売上つくってちょ、ということです。
今までお客さんと接していなかった人にいきなり営業やれといわれたら、相当キツいと思います。20代ならまだチャレンジ精神でなんとかなるかもしれませんが、40代くらいになると「俺は入社以来ずっと経理でやってきたんだ」というプライドもあると思いますから、「いきなり営業やれっていわれても」と気持ちがついていかない人も多いでしょう。だから記事の中に「配置転換後の仕事に合わない従業員には、転職を支援する」という文言があるのです。
富士通みたいな大企業に大卒で入社するのは、下品な話、河合塾偏差値で60以上の大学の人たちです。頑張って勉強して、いい大学に入っていい会社に就職して、安定した生活を手に入れるんだという常識において、今の60代くらいの人たちがなんとか逃げ切れた世代ですが、その下の40代とか50代の人たちからしたら「話が違う!」という感覚でしょう。
「いい大学、いい会社、いい人生」みたいな分かりやすい時代はとっくに過ぎ去ったあと、これからの10年20年は、どうやって人生を作っていくかそれぞれが自分の頭でよく考え、判断し、行動していかないといつ何がおこるか分からない、とても難しい時代です。