ホモサピエンス・コッコウリツの話の続きですが、今までの塾人生で一番笑ったのは2年前の2022年の入試での出来事でした。
この年は共通テストの数学がえらく難しくてIA, IIBとも平均点が40点という年でした。数学がまあまあ得意な人も、苦手な人も30-40点に押し込まれてしまう難易度で、うちの塾はまあまあ得意な人が多かったのでみんな数学でアドバンテージを出すことができず、逆に英語や社会などは例年通りだったので暗記系科目で得点できた人が希望通りに出願できるような年度でした。
入試って難しすぎると得意な人は損するんですよ。
で、当時五条高校の理系普通クラスに通っていた塾生は得点率が60%に届かず、岐阜大の合格可能性が50%程度の位置にいました。その塾生はもともと名工大を目指して頑張っていたこともあり、出願は前期も後期も岐阜大でいきたいという意向でした。
普段の授業でみている感触から問題が難しすぎない岐阜大学の数学なら合格点を取れる可能性が高いだろうと私は見ていました。岐阜大の数学は誰もがチャートで見たことがある問題が多いです。こういう問題だと、数学が得意な人はちゃんと得点できて、苦手な人はあまり得点できないように受験生が分布します。
五条高校では(というか多くの高校では)共通テスト後に担任との面談があり、どこの大学に出願するかを話し合います。
そんな面談わざわざセットしないでも、相談がある人だけすりゃいいじゃんと私は考えますが、五条高校がコッコウリツ合格者数を稼ぐためにはこの面談は重要です。
いかにしてC判定、D判定のあこがれの大学を諦めさせて、A判定、B判定のでた僻地の低レベル国公立大を受験させるかが、この高校の先生の使命です。
鬼滅の刃無限列車編で、上弦の月の猗窩座が煉獄さんに
「お前も鬼にならないか?」
と提案して1秒後に
「ならない」
と却下されてしまいました。
鬼になれば百年でも二百年でも鍛錬しつづけられる、というのが猗窩座の主張でした。
ではこれが五条高校だとどうなるか。
頑張って勉強した成果を岐阜大で試したいといううちの塾生が面談で言われたのは・・・
「お前も北見工大を受験しないか?」
北見工大といえば、東日本の国公立大学の理系学部で最も偏差値が低い北海道にある大学です。共通テスト得点率は50%を切ります。なぜか昔から五条高校はこの北見工大に強いことが有名で、よく学校掲示板でもネタになっています。(掲示板の人みてる〜?)
実際にうちの塾生が北見工大を強く進められたのは、清須市で塾を開いて6年目で初の経験でした。
学校で面談を終えた塾生がすぐに塾に来て私に「北見工大すすめられましたw」と教えてくれて、二人で大爆笑。
その塾生は「お前も北見工大を受験しないか?」というしつこい提案を「しない。岐阜大を受験する。」でなんとか押し切ったそうなんですが、なかには押し切られて北見工大に出願した同級生もいたようです。
実際、この年の五条高校の入試結果を見てみると
北見工大9名!強すぎる!!
ちなみにこの塾生は前期で岐阜大をちゃんと仕留めました。めでたしめでたし。
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※北見工大を否定する意図はありません。理系の国立大学なので、ちゃんと目的があっていきたい人にとっては価値がある大学だと思います。五条高校のコッコウリツ合格者数稼ぎに使われてしまって実害を被ってないか心配です。
※2022年2月入試における五条高校の北見工大実績の数字に誤りがあったので訂正しました。訂正前10名→訂正後9名