月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

国公立ゾンビとは

国公立ゾンビという新しいキーワードを作ってしまいました。自称進の先公はどいつもこいつもコッコウリツ大学が大好きです。どれだけレベルが低くても、生徒がたとえ進学を希望していなくても、合格を一つ獲得できると喜びます。あるいみ単純で犬みたいな生き物です。

しかし、この偏った価値観は「科目数が多い国公立受験が素晴らしい」という、さらに偏った価値観を高校生に植え付けます。5教科勉強することは一見大変そうですが、たんに受験勉強の3000時間を600時間ずつ5教科に割り振るか、1000時間ずつ3教科に振り分けるかの話。旧帝大をのぞけばほとんどの国立大より早慶に受かる方がはるかに難しいです。

私大と国立大両方経験した身として国立大の価値とは、専門的な勉強を落ち着いた環境でできる点にあります。私大はどうしてもマス教育になり、先生にたくさん質問したりレポート添削してもらえる機会が少ないです。でも別に18歳当時の私は教育密度について全く不満に思いませんでした。授業よりむしろ多様なバックグラウンドをもつ友人関係から成長する機会を得たように思います。

もちろんこれは私が感じた価値の話。どこの大学が良いかなんて、高校生の数だけ答えがあります。本人が行きたいと思う大学が、価値のある大学です。

しかし残念ながら高校生は教員の発言をそのまま鵜呑みにして「科目数こそ正義」と唱える国公立ゾンビとなって、その一部が再び学校に戻ってきて次の世代の国公立ゾンビを生産します。

自称進での受験は豆腐モードのバイオハザードみたいなもんです。

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