月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

中3授業の様子:考える時間

中高生の勉強というのは暗記が基本なので、考えさせる時間はあまりつくりません。基本的な定理や公式といった、原理を知ったあとでそれを用いた演習を繰り返していって覚えていくことの繰り返しです。ただし常にそうというわけではなく、たまには1つの疑問や論理について考える時間をもうけます。今日は中3理科の入試問題で面白い設問があったので、答えだけ先に与えて「なぜそうなるのか?」という点をよく考えてもらいました。
 
考える時間も2分3分とかではなくて長いと10分単位になるので、生徒からしたら「さっさと教えろよ!」と思う瞬間もあるかもしれませんが教えないほうが良いこともある、いやむしろ教えないほうが良いことのほうが多いと思っています。勉強というのは基本的には自分でやるものです。義務教育の9年間が義務として与えられるものだから、勉強というものを「教わるもの」として考えるのもの無理はありませんが、たとえば大学受験勉強の数百時間、数千時間というのはそのほとんどが自習の時間ですし、大学に進学したら書く論文は自分で勉強するのは当然のことテーマを設定するのも自分です。教授に教わることというのは一言二言のぼそっとしたアドバイスです。さらに、就職したあとでの勉強は自分がやりたくてするものだし、卒論と違って評価する人さえいません。完全に孤独な作業です。だからといって不要な作業ではなく、むしろ必要な作業と言えるのですが、それは仕事というお金を稼ぐ行為をより高いレベルにしてよりたくさん稼ぐことで自分や家族を養えるようになるからです(そういう点では私は要精進)。
 
ということは、最近はやりの個別指導の塾に行ってなんでもかんでもバイトの大学生に答えを教わるということにどれほどの意味があるでしょうか?飢えた人には魚を与えるのではなく魚の釣り方を与えろとはよく言ったもので、答えを教えるより答えまでのたどり着き方を教えるべきですし、さらに言えば答えまでのたどり着きかたより答えを求めたくなるような設問を自分で設定することを伝えていくことこそ、価値があるはずです。
 
偉そうなことを言ったものの、言うは易く行うは難しでございます。
 
 
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清須市の大学受験 相伝学舎

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