月刊木村:清須市で営む塾での日々

相伝学舎という塾を経営しています。好奇心の格差時代に、大学受験を通じた成功体験の場を提供することが使命です。

偏差値や得点率では見えないものを見ないと

国立志望者がセンター試験終了後に得点率の悪さにビビって、出願先を変更するということは今年も数千人単位で全国の受験生が経験することと思いますが、私はそういう行為にはいくつかの理由で反対です。

まず、そんな程度の志望度だったの?という点。これはただの気持ちの問題です。

次に、その出願の変更で果たして合格可能性は高まるのか?という点。これは、結構大事な話です。

学力を測るものさしは模試の偏差値や、今で言えばセンターの得点率であることに間違いはありません。でも、その指標は実際に大学が合格者を決める基準とはことなります。(センターだけで合否が決まる大学は別、センター得点率や得点で合否が決まる)。

センターと二次の合計で合否が決まるわけですが、では二次で出題される問題ってどんな問題でしょうか?

大学によって出題科目も、配点も、傾向もまったく異なります。

当然、ある生徒がA大学を志望していればA大学の過去の出題傾向を意識してこの1年間勉強してきたはずですから、多かれ少なかれその生徒の学力というのはA大学の入試においては同じ偏差値でB大学志望者よりは高いと言えます。

目に見えない学力を軽視してはいけません。

たとえば名大志望者がセンターで思うように得点がとれず、名工大や名市大に出願先を変えようとしたら、過去の模試の偏差値や判定においては名大よりも合格可能性が高く出ていることでしょう。しかし、今の時期に志望先を変更したら、当然過去問題対策は残り1ヶ月程度で実施しなくてはいけなくなります。

その生徒が偏差値60だとして、では偏差値55で名工大や名市大を1年前から志望していて、過去問題を10年も20年もすでに解いている生徒がいたら、どちらが合格に近いでしょうか?

という話です。

出願する大学を変えるのだとしたら、1年遅いです。

高2の終わりには意思をかためて、1年かけて対策するものだと私は思うのですが。

清須市の大学受験 相伝学舎
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